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「うおっ！」
その時だった。後ろから急に誰かに肩を押されて、Aの正面につき出されたのは
後ろを振り向けばニッコリ笑顔を浮かべている福良さんの姿。しまった。完全に味方だと思って油断してた
突然の俺の乱入に最初こそこうちゃん達も驚いていたが、直ぐ様なにかを察したように彼らも俺の後ろに消えていく
視線を戻すと、目の前のAはどうしたんだと言いたげにパチパチ目を瞬かせていた
…こうなったら仕方がない。今度全員に嫌いな物を食べさせよう。特に野菜とアルフォートは大量に買っておこう
「…誕生日、おめでと。A」
後ろ手に持っていた薔薇の花束を正面に持ってきて、Aに手渡す
花束を受け取ったAは驚いたように目を見開き、そしてふふっといつもの笑顔を浮かべた
「まさか拓朗さんから薔薇の花束を貰える日が来るなんて思ってませんでした」
「…俺も送るつもりはなかったんだけど」
「へへっ、でも、嬉しいです。ほんとに…ほんとに………嬉しい…」
「そんな泣かんでも」
花束を抱き締めて突然泣き出したAごと優しく抱き締める
すっかり肩まで伸びた艶のある髪からは、ほんのりと柑橘系の香りがした
…もしかしたら今頃、俺はこんな風にAを抱き締めることすら出来なかったかもしれない
ただただ墓の前で、一人手を合わせて泣いていたかもしれない。前を向けず後ろを向いていたかもしれない
本当にそれくらい、Aの病気が完治したことは、�犂饑廰瓩剖瓩�
体を少し離すと、俺達の間にあるAの腕に抱かれた�狎弔き瘟�薇が風で揺れる
…なにかと青には縁があったから、この色にした。そして、肝心の花言葉は―――
「…なぁ、A」
「っはい、なんですか、拓朗さん」
涙で濡れた顔が俺を見上げる。そんな顔すらも綺麗に見えて、弧を描く唇に触れるだけのキスを落とす
「俺と出会ってくれて、ありがとう」
―――生きて、愛してくれて、ありがとう
.
END
.
＊青い薔薇
元々はどんなに頑張っても作れない不可能な花とされていて、花言葉も「不可能」「あり得ない」でした
ですがその後青い薔薇はサントリーブルーローズ アプローズとして誕生し、新たな花言葉が生まれます
―――「奇跡」「神の祝福」「夢叶う」
終わり
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三宵 - マジで、本当に、号泣しました。この作品を作ってくれてありがとうございます。合掌もんです。本編では葉月ちゃん死んじゃうのに、番外編？では奇跡的に完治してくれた話も作ってくれて本当にありがとうございます！私もハッピーエンド大好き馬鹿です。 (2月25日 10時) (
レス) @page50 id: bf60c8d8c1 (このIDを非表示/違反報告)
s.u - 本当に、感動しました…！私は文章力がないので、本当に羨ましいです…。最後の方は涙でいっぱいでした。お疲れ様でした！ (2021年9月25日 12時) (レス) @page50 id: 4835169485 (このIDを非表示/違反報告)
限りなく1に近い4。 - あの、本当に、まず一つこの作品に出会わせていただけたことに感謝しています、一気に読ませて頂きました。最終話に近づくにつれ涙がボロボロ出てきて、こんなに作品へ感情移入したのは本当にいつぶりだろうってぐらいです。完結おめでとうございます。最高でした…！！ (2021年9月15日 0時) (レス) id: eeb9744d1e (このIDを非表示/違反報告)
わぁわぁ(プロフ) - 読ませて頂きました、自分が涙脆いのか最後の方ボロ泣きで読めなかったです…めちゃくちゃいい話でした！ループします… (2020年11月28日 21時) (レス) id: ed6a811a98 (このIDを非表示/違反報告)
花蓮 - もの凄く良いお話ですね…。涙が溢れました。川上さんに本当にそんな過去があった気がして……。なかっとしても同じような過去を抱えていると…。もう書くことが言葉に出来ません。すみません。ただ、本当に感動しました。 (2020年9月27日 17時) (レス) id: b11d0cfa2b (このIDを非表示/違反報告)
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