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再会 ページ12

今日も大繁盛、ではなく、片手で数えられるくらいのお客さん

誰も居ない間は言葉通り手持ち無沙汰で、もう薄暗い外を見つめる

忘れたい。忘れたいのに、頭からあの人の顔が離れない

思い出したくないのに、頭に残るあの感触が無くならない

…認めたくない。絶対に。認めたら…悲しくなるだけだから


あの人が、好きだなんて


〜〜♪〜〜〜♪


聞き慣れた入店音に慌てて体制を整えて「いらっしゃいませ」と軽く頭を下げる

入ってきたのは、見覚えのある金髪にピアスの男性


「あ」

「え」


パチリと合う目。間違いない。彼は、あの時の、彼だ

名前も年齢もなにも分からない、優しいあの人

一ヶ月も経っているのに、彼も私の事を覚えててくれたようで、お互いに目を見開く


―――ドクンッ


瞬間、速くなる鼓動。静かな店内では彼にも届いてしまいそうで、胸を押さえる


「…こんばんは」


ずっと、脳内に響いていた声

それが今、目の前から直接聞こえてくる

その事実に上手く言葉が出てこなくて、私は無言で頭を下げる

なんで、なんで彼が、ここに…いままで一度も、来たことがなかったのに

たまたま、この辺りを通ったのだろうか?この辺りで、丁度仕事があったとか?

そこまで考えて首を振る。これじゃあまるでストーカーみたいだ


「あの、会計、頼んでも良いですか?」

「あ、は、はい!すみません!」


思考を止めると目の前にはあの時と同じ顔があって

なんとなく顔を合わせるのが気まずくて、慌てて商品に視線を落とす

ピッ、ピッとバーコードを読み取り、値段を機械的に告げる。なんだか、すごく、見られてる気がする

カルトンに置かれた千円札をレジに入れて、レシートの上に乗せたお釣りを返そうと顔をあげると、やっぱりさっきからひしひしと感じていた視線は気のせいではなくて

あの夜と同じ目が、私をジッと見つめていた


「に、210円の、お返しです…」


差し出された手。その手は、男性らしいゴツゴツとした手で

その手に自分の手を添えることすら、ドキドキとしてしまう

急いで手を引っ込めようとすると、何故かぎゅっと両手を掴まれた


「あ、あの……ちょっと待って」


混乱する私。そんな私を他所に突然レシートを裏返してなにかを書き出す彼

盗み見するのは流石に憚られて、少しの間視線を虚空に向ける

。→←.



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作品ジャンル:恋愛
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白菜(プロフ) - すずどらさん» こちらこそコメントありがとうございます。とても励みになります。誰かの心に響くような話を書くことができて良かったです。更新頑張ります (2019年12月15日 16時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - あやかさん» こちらこそコメントありがとうございます。誰かを好きになるって大変なんだな、と書いた本人ながら思ってます。これからも切ない恋の模様を見守って頂けたら幸いです (2019年12月15日 16時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
すずどら - 僕の推しは川上さんなので凄く嬉しかったです。せつない作品で、とても良いな、と心に染みています。また、続きを楽しみにしてます。頑張って下さい。 (2019年12月15日 10時) (レス) id: 66850163cc (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - せつない作品をありがとうございます。現在さめざめと泣いております…。続きをお待ちしております。どうぞよろしくお願いします。 (2019年12月15日 0時) (レス) id: 7a1dedd698 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - Qさん» こちらこそいつもコメントありがとうございます!!無料世界一周旅行出来るくらいの作品が書けているかはまだまだ自信ないですが、そう言って貰えると本当に嬉しいです!!Qさんもインフルエンザにはお気をつけて! (2019年12月9日 14時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白菜 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年12月7日 23時

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