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ページ10

大方、あの少年の推理ショーは終わったと見える。
その結果、犯人が逆上したのか...

レストランから"彼ら"以外の人がいなくなる。
恐らくはここから逃げ出そうとしているのだろう。
だが...


ドォン...


「4階の倉庫を爆破した!これで誰も逃げられない...」


なるほど...
だが、下がダメなら上へ逃げる、これが鉄則だ。
最も、冷静さを欠いた人々に、そこまで考え至るかは分からないが...


セーフティを外し、構える。


狙うはあの起爆装置

この小さな身体で正確な狙撃ができるか...
いや、やるしかない

トリガーに指を入れる。
この感覚、随分久しぶりだ。



3.2.1.......





パァン





頭上で発砲音がして、トリガーを引く指を止める。



な、なに、今の音



「おい、今の音...誰だ!? 警察を呼んだのは!?」



しまったーー



男がスイッチを指で押す。

一瞬の間の後、辺りは光に包まれた。






ーーーーー



灰原哀side




「...ぅ、」



重い頭を抑え、体を起こす。


何が起こったんだっけ...

そうだ
確か、このフロアに工藤君が爆弾を見つけて、それを犯人に問い詰めたら犯人が逆上して、それで起爆装置を.....


そこまで考えたところで、ハッとする。

そうだ、みんなは!?



「大丈夫だよ」



頭上で声がしてゆっくりと顔を上げると、そこには面倒臭そうに眼鏡をかけ直す少年がいた。


「おっちゃんも蘭もアイツらも...今は6階あたりじゃないかな。」
「そう...でも、助かったわね、あの時見つけられた爆弾を解除してなければ、今頃私達お陀仏よ」
「想定内さ。」


想定内でこれなの?と文句を言いたくなる口を抑え、この爆弾を設置した男の方へ目をやる。


「この人、どうするの?」
「今は4階の火災が消火しきれてないから、それが済んだら運ぶよ。どうせただ気絶してるだけだろうし」
「そう...」


まだ所々炎の残るフロアを見つめる。
何か見える。
あれは.....人?


「ねぇ、奥に誰かいる」
「え?」


燃え上がる炎の奥に、黒い影がチラチラと見える。


「...ひっ、」


はっきりと見えたそのシルエットに、思わず隣にいる彼の後ろに隠れる。


「ん? どうした?」
「工藤君、逃げるわよ」
「え?」
「ジン.....あの男が奥にいるのよ!!」


彼の腕を引いて、厨房へ逃げ込む。


「おい、見間違いなんじゃ...」
「間違えるわけないでしょう!?」

そう、私が彼を間違えるはずがない。
だって、だって.....

*→←File.33 "殺したい程"



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カンナ(プロフ) - とても面白かったです。後先考えられる面白い作品でした。大変な時ですが頑張って下さい。 (2020年4月19日 0時) (レス) id: 429d40b89b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はな | 作成日時:2020年4月1日 16時

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