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ジ「最近、俺達と競合関係にある奴らが、この研究所の薬の開発のことを嗅ぎつけたらしい。」
『なるほど...そこで、ここに侵入して、研究内容を我が身にしようと画策していると。』
ジ「フン、話が早ェ...まぁ、コイツの身にも、少々危ない事がおきそうだからな。」
『危ない事?』
すると、ジンはシェリーに目配せをする。
シ「実は、最近誰かに付けられているような気がして...」
『誰かに、ねぇ...』
誰か
それは恐らく、組織の薬の研究成果を横取りしようとしている人間達のひとりだろう。
でも...
『その薬って、どんな薬なの?』
ジ「それは...ちぃとばかりまだ早いな。任務が無事終了して、お前がシェリーを護り終えたら話そう。.....俺は行く。さっきからなにやら電話がうるせぇからな...」
そうして彼は部屋を出ていき、女二人取り残される。
シ「...貴方の名前、まだ聞いてなかったわ。」
『あぁ、私の名前はリア。よろしくね、シェリー』
シ「えぇ...」
そうして彼女は、椅子をくるりと回すと、私に背を見せてパソコンになにやら入力し始めた。
シ「...この組織はそんなに甘くない。逃げるなら今よ。私は彼らと違って貴方を追ったりしないから。」
...え?
シ「この前もいたのよ、私が眠っている隙にこのPCのデータを抜き取ろうとした人間が。」
...あぁ、そういうことか。
この少女も、私をNOCだと疑っているのね。
組織に入ってすぐの人間がスパイでだと疑われる。
それは別に珍しいことではない。
でも、こんな年端もいかない少女が疑心暗鬼になるほどなんて。
どの国もこの組織に悩まされているのね。
一体何人NOCとバレて死んだのかしら。
『...別にそんな事しなくても教えてくれるんでしょう? この任務が終わったら。』
そう言うと、彼女は椅子をくるりと回し、私に向き直る。
シ「あら、私は心配してるのよ? この組織は随分と鼠が多いから。」
『ありがとう。でも私は生憎、帰る家も友達もないのよ。ひとりなの。』
シ「...ひとり?」
『えぇ、だから安心してよね。私は貴方を、この組織という居場所を裏切らないわ。』
そう言うと、彼女はじっと私を見たあと、
シ「...悪かったわね、揶揄って。」
もう一度私に背を向けて、そう言った。
ーーーーー
『はい、お茶』
シ「ありがとう」
私とシェリーの奇妙な同居生活は、かれこれもう2週間に及んでいた。
彼女は2週間のうち、1度も出かけようとはしなかった。
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明里香(プロフ) - 誤字がありました。「そ今にも泣き出しそうな」ではなく、「その今にも泣き出しそうな」です。 (2020年7月11日 12時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「だも思った」ではなく、「だと思った」です。 (2020年7月10日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 可愛い男の子と形容されているのに、「彼女」になっています。統一された方がよいのではないでしょうか? (2020年7月10日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「ライがいなかなる」ではなく、「ライがいなくなる」です。 (2020年7月10日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「始まて貴方にもらったものだから」ではなく、「初めて貴方にもらったものだから」です。 (2020年7月10日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2019年11月30日 8時