検索窓
今日:11 hit、昨日:9 hit、合計:264,013 hit

ページ34

サイレンサーの付いてない方の拳銃を貰い、スコッチに背中を向ける。
彼は自分の手を噛んで、必死に呻き声を我慢しているらしかった。

ラ「次は足だ」


...見てられない。


ス「く、ぁあ...」
『拳銃、空砲に変えた』
ラ「準備完了だな......リア、俺はお前達にそのスマホを渡す。情報が残っているかもしれない、とでも言ってな。そうしたら、お前が上手くDNA鑑定に持ち込め。そうすりゃ、流石にバーボンも信じる。」
『了解』

すると、誰かが非常階段を勢いよく登る音が聞こえる。

『...来た! 』
ラ「これがバーボンだと、この茶番も1度で終わるんだかな...死ぬなよ、リア」
『もちろん。じゃあまた後で...景光、頑張って』
ス「あぁ...ありがとう...」

靴を脱いで手に持ち、反対側の非常階段をひっそりと降りる。もしヒールの音がしてしまえば、そこに第三者がいることは簡単にバレてしまうからだ。


私の役目はひとつ
バーボンが屋上まで登っている間に1階のフロアに隠れ、銃声が聞こえたら、屋上に繋がっている彼が登った方の階段をもう一度登ることで、今来たかのように装う。


降りる途中、丁度反対側に見える非常階段をちらりと見る。

あのシルエットは恐らくバーボン
流石、早いな...

丁度階段を下り終えたところで、1発の銃声が響く。
よし、今度は上り...!

パンプスを履いて、零が登ってきたであろう反対側の階段を上る。
今度はしっかりと足音を立てながら...



.



あとワンフロア登れば屋上...!

私の役目は、景光の死体を見た零をここから連れ出すこと。
絶対に、何がなんでも成功させてみせる...!


『スコッチ!!...え、』


息を切らしながら辿り着いた屋上

そこには、スコッチーー景光のスマホを握りしめ、目を見開いたまま固まる零がいた。

『れ......バーボン、』

それから彼は、ライを思い切り睨みつける。
初めて見た...あんな零の表情
そう、それはまるで、


一生許さないと、言わんばかりのーー


『......どういう、こと?』


予想以上
あまりにも状況が酷すぎる。


痛みのせいで気を失った景光
赤く染った胸ポケット
穴の空いたスマホ
返り血を浴びたライ
硝煙の香り


何もかもがリアルで、全てを知っている私ですら、息をするのを忘れてしまうほどだった。

ラ「リア...遅かったな。コイツはNOCだったんだ。」
『スコッチ...死んでるの?』

ひゅ、と喉が鳴ったのを隠すように、震える喉から声を絞り出す。

*→←*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (52 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
210人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

明里香(プロフ) - 誤字がありました。「そ今にも泣き出しそうな」ではなく、「その今にも泣き出しそうな」です。 (2020年7月11日 12時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「だも思った」ではなく、「だと思った」です。 (2020年7月10日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 可愛い男の子と形容されているのに、「彼女」になっています。統一された方がよいのではないでしょうか? (2020年7月10日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「ライがいなかなる」ではなく、「ライがいなくなる」です。 (2020年7月10日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「始まて貴方にもらったものだから」ではなく、「初めて貴方にもらったものだから」です。 (2020年7月10日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:はな | 作成日時:2019年11月30日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。