File.1 "はじまり" ページ2
ギィ、と重い木の扉を開けると、その奥には暗闇が広がっていた。
縦に置かれた長いテーブルの1番手前に蝋燭が2つ
そして、その2つの蝋燭に挟まれるようにして、ナイフと1枚の紙、万年筆が置かれている。
これが"例の"儀式か
そう理解して、臆することなく歩みをテーブルの方へ進める。
テーブルの周りに誰かいる。
私の側は蝋燭で明るいものの、テーブルの周りは暗いせいで顔まではしっかりと見えない。
なるほど、この儀式が最終試験か。
「下に名前、その横に血判を押してちょうだい。」
暗闇の中から女の声が聞こえる。
ここで変に動揺した素振りを見せれば即アウト
NOCとバレる以前の問題に、"名前"を持つ人間としての器量がないと判断されてしまう。
そして、その後は...
さらさらと筆を走らせ、名前を記入する。
それから、ナイフを手に取る。
蝋燭の黄金色が反射して、刃先が妖しい光を放っていた。
左薬指の爪の下に、少しだけナイフの刃をあてる。
鋭い痛みが走ったあと、じわ、と血が滲んだ。
そして、その滲んだ血を右の親指に付けて、髪にぐっと押し付ける。
『
".....フフフフフ、椿 華夜 ...噂通りのその冷静さよ..."
なんだ、この声...!?
変声機を使っているのか?
"私はラム、君に今から"名前"を与える。"
名前...
"君の名前は、"サングリア"...どうだ?"
サングリア...
スペインの酒か。
"リア、これからよろしく頼むよ...私達の為に..."
"その命の華を、咲かせるんだ"
声が止み、ぱちん、と軽い音がしたかと思うと直ぐに部屋が明るくなる。
これは...
目の前の"彼ら"をぐるりと見回す。
テーブルの周りには、10人くらいの男女がいた。
全て顔と名前が一致する。
予想はしていたが、遂にここまで辿り着いたか...
銀髪の男が腕を組んだまま足を組みかえ、私をじっと見つめる。
情報が正しければ、この長い銀髪の男はジン
「あら、ジンのお墨付きなんて、貴方良かったじゃなァい?」
この女...シャロン・ヴィンヤード
ベルモットか。
ベ「私達の自己紹介は必要ないわよね? もう顔も名前も知れてるでしょうから。」
『...えぇ、』
ベ「フフ...これはこの組織の通過儀礼。貴方を試したこと、悪く思わないでちょうだいね。」
ふふ、と女ーーベルモットが笑う。
蝋燭が揺らめく暗闇で血判
随分と趣味がよろしいことで。
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明里香(プロフ) - 誤字がありました。「そ今にも泣き出しそうな」ではなく、「その今にも泣き出しそうな」です。 (2020年7月11日 12時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「だも思った」ではなく、「だと思った」です。 (2020年7月10日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 可愛い男の子と形容されているのに、「彼女」になっています。統一された方がよいのではないでしょうか? (2020年7月10日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「ライがいなかなる」ではなく、「ライがいなくなる」です。 (2020年7月10日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「始まて貴方にもらったものだから」ではなく、「初めて貴方にもらったものだから」です。 (2020年7月10日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2019年11月30日 8時