Battle_12 ページ12
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「ッなにこれ…」
社の中に入ると、そこには確かに鬼が居て、絵が沢山あった。
だが、それは全て血で描かれている。
その鬼は目の前で私の存在に気付かず、背を向けてまだ絵を描き続けている。
「星の呼吸 弐の型 天ノ架橋」
ずん、と鬼の頸を落とした。
ごとん、と落ちた頸が初めて私を捉える。その目には、下弦の一に×がついていた。
「遅かったじゃないか、鬼狩り。
僕の絵は完成したよ。
血気術・九相図」
「趣味が悪いよ、貴方」
はっとして、鬼の体の指を見るとまだ絵を描き続けていた。
すぐに腕を切り落とす。
心底楽しそうな笑いをしながら、鬼の体は消えていった。
死んだのだから、血気術は発動しないだろう、と随分鬼が熱心に描いていたものを見る。
「…これ実弥ちゃん?」
周りには化け物の絵ばかりだったのに。
そして、気付いた時にはすぐ走り出した。
鬼が言っていた血気術は戦っていた実弥ちゃんに掛けられたものだった。
身体が腐り落ちていく絵。
なんて悪趣味な。
「実弥ちゃん!!」
刀を持ち立っている姿を見つけた。やっぱり、掛かっていなかった、と安心する。
すると、実弥ちゃんが振り向いた。
「遅せェよ」
言葉を失った。
実弥ちゃんの口の周りが血塗れで、顔色が悪い。
完全には血気術が効いていなかったようだ。
「っ…実弥ちゃん…」
「…本当にお前、よく泣くなァ」
あと少し遅かったら、実弥ちゃんがいなくなっていたかもしれないと気付くと、涙がとめどなく溢れてきたのだ。
「戻るぞォ、A」
「う、ん…」
私の手を握る実弥ちゃん。
広くて、強い背中を見つめながら私はついて行った。
御館様の屋敷へ向かう帰路、すっかり夜になってしまい、土砂降りの雨にもあたってしまい藤の花の家紋の家にお邪魔することになった。
「狭いところでございますが、どうぞごゆっくりなさってください」
年配のおばあさんと若い女の人が快く迎えてくれた。
お世話になります、と私はご挨拶をしていると、実弥ちゃんの身体が私の方に傾いてきた。
待って、ここでいちゃつかれても困るんだけど、ちょっと心の準備が、ひっひっふー。
「A悪ィ…俺ァもう無理だァ」
ほんのり赤くなった顔で実弥ちゃんが突然そんなことを言うから、もう私の心臓は大騒ぎだ。
「こ、こんなところで…実弥ちゃんそういう御性癖持ちで!!?」(大混乱)
と、大騒ぎしていると実弥ちゃんは倒れた。
「わー!?実弥ちゃあん!!!」
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一橋(プロフ) - はい!(´∀`*) (2021年1月3日 1時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
サワ - お気になさらず!ゲーム、楽しいですもんね(笑)仕方ないです!!これからも応援しています!頑張られてください! (2020年12月21日 16時) (レス) id: 6562c3d1b8 (このIDを非表示/違反報告)
一橋(プロフ) - サワさん» 大変お待たせしました… (2020年12月21日 6時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
サワ - 待ってましたぁぁぁぁぁぁ!!!これからの展開もドキドキです!頑張ってください! (2020年12月12日 22時) (レス) id: 6562c3d1b8 (このIDを非表示/違反報告)
一橋(プロフ) - :-)さん» 嬉しい!!ありがとうございます!頑張ります〜!! (2020年12月12日 18時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一橋(愛之助) x他1人 | 作成日時:2020年11月24日 19時