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アメイジング・グレイス【10】 ページ48

抱き上げられて連れられた先は、たくさんの人で溢れかえっていた。

「見世物じゃねぇぞ」
「まぁまぁ。はじめまして、Aちゃん、だっけ?」

優しい声におそるおそる顔を上げると、穏やかな顔つきの青年が手を差し出している。

「ひとまず握手から。僕はロマニ・アーキマン。ようこそカルデアへ。君を歓迎するよ」
「かる、であ」
「僕らは人理を修復するための任務をおってる。君の力を貸してほしい」
「あっ、そうそう! そこでなんだけどね!」

パン、と手を打ったのは、先程の女の人だ。

「Aちゃん、あなたには特別任務として、オルタのお世話係になって欲しいの!」
「おせわ??」

思いもよらない言葉にAは瞬きを繰り返す。それはどちらかといえば、自分が狂王にされていたことだったからだ。

「そう!お世話! オルタってほっとくとすぐご飯抜いちゃうし、部屋に戻らないで床で寝ちゃったりするから······あなたがそばにいてあげて?」

しゃがみこんで目を合わせ、いいかな? とたずねららる。
いいのだろうか。Aは後ろめたさを感じて何も言えなくなる。自分が彼をあの世界に引っ張りこんだことを、この人はどうして咎めないのか不思議で仕方なかった。

「それにね」

その人は優しく笑って、内緒話をするようにささやく。

「好きな人のところにいたいんだよ、オルタも」

(す、き???)

すき、すき、好、き???

「おい、ガキに何教えてやがる」
「子どもじゃないですー、立派な女の子だよ! ねぇAちゃん」
「へ、う······!」

Aは容量を超えてしまった思考を背負いきれず、狂王の背中へ逃げ隠れた。ありゃまと、女の人も周りも笑う。

「幼女とは趣味が悪い」
「黙れ術師風情が」
「あん? てめぇを助けたこっちは命懸けだったんだぞ」
「知らん」

頭上では狂王とよく似た声の人が何かを言っていたが、Aは妙に火照る頬を持て余して尾にしがみついているので精一杯だ。

「はいはい、じゃあ本題戻すよー。次の特異点の話だ」
「場所はーーーー」



「確かにオルタの言う通り、足はひどく衰弱してるし、視力も裸眼だと1より低い。その年の子の身体にしては君は華奢すぎるし、問題は山住みだ。しばらくは安静に過ごすこと」

カルテを書き込みながらいいね? と念を押すこの人はダ・ヴィンチというらしい。

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設定タグ:FGO , Fate , クー・フーリン(オルタ)   
作品ジャンル:ファンタジー
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皐摩(プロフ) - もう…!!好き過ぎる…!最高すぎる作品ですうううう!!!! (2019年2月28日 3時) (レス) id: 8434b91720 (このIDを非表示/違反報告)
Sandoriyon0000(さんどりおん)(プロフ) - 火星さん» 感想とお祝いありがとうございます!このままBADエンドでもいいんじゃないかと途中で悪魔が囁いてきましたが、たぶん狂王の宝具で木っ端微塵にされたんだと思います(笑)続編の方も頑張ります、応援ありがとうございます! (2017年12月28日 21時) (レス) id: 1352ea05b0 (このIDを非表示/違反報告)
火星 - 完結おめでとうございます。途中から主人公が消失するのかと思ってヒヤヒヤしていましたが、最後は狂王と主人公がちゃんと幸せそうでよかったです。続編でも頑張ってください、応援しています! (2017年12月27日 10時) (レス) id: 9638a5e671 (このIDを非表示/違反報告)
Sandoriyon0000(さんどりおん)(プロフ) - 川瀬さん» ありがとうございます!実は川瀬さんの作品、私も陰ながらこっそり読ませていただいています。今は無き理想郷のランスロットと主人公ちゃんのやり取りが微笑ましくて何回も見てます。続編では幼女とイチャイチャ()を考えていますのでよければよろしくお願いします! (2017年12月13日 23時) (レス) id: 1352ea05b0 (このIDを非表示/違反報告)
Sandoriyon0000(さんどりおん)(プロフ) - 鏡花・オルタさん» ありがとうございます!コンセプトが最後は絶対ハッピーエンド!(漠然)だったので、この結末に落ち着けたことに自分でもホッとしています。続編では優しいオルタと優しい世界を目指します。またよければよろしくお願いします! (2017年12月13日 22時) (レス) id: 1352ea05b0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Sandoriyon0000 | 作成日時:2017年10月21日 3時

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