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第３話 トイレの花子さん ページ3
「で、どうしたの？」
私は今この現実から逃れたくて、最後の望みをかけて八尋さんに聞いた。
八尋さんはやけに真剣な目で、私を見て言った。
「上野さんは‥‥今、ここにトイレの花子さんがいるって言ったら、どうする？」
‥‥‥‥ふむ。
もうここまで来られているのなら、いっその事バラすか。
これを私に聞いている時点で、死神の能力が聞きにくい怪異と繋がっている証拠だ。
「そうね‥‥‥」
私は考える素振りを装って、背中に出現させた鎌を、八尋さんに狙いを定める。
視界の中で花子さんらしき怪異が慌てたように動き出す。
「ヤシロ！！」
「！？」
２人は私の鎌に驚いたのか、咄嗟に目を瞑った状態で固まっていた。
「ぷっ‥‥‥‥‥‥あはははははは！
どんだけ怖がってるのよ、寿命のタイムリミットが少なくなきゃ、鎌は効かないわ。」
私はポカーンとしている２人に言った。
「その様子じゃ、私が人間ではないことは分かってたけど、何者かまではわかってないってところかな？」
「う、うん‥‥‥」
八尋さんが思わずというように私の言葉に返事をした。
私は笑って、自己紹介をした。
「私は死神のカナ。
事情は言えないけど、訳あってかもめ学園に配属されたの。」
少しの沈黙が流れた。
「「死神ぃ！？」」
えへ、と私は笑う。
━━━━━━『歯車は回り始めた。』
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作者名：千寿こい | 作成日時：2020年1月26日 21時
