決心 ページ5
大谷side
"女がプロ野球とかふざけてんだろ。笑”
"日ハム終わったな”
"どうせすぐコケてやめるって”
"さっさといなくなってくんねーかな”
ネットの書き込みに、無意識に手に力が入る。
正直世間の反応は粗方予想はついてた。
さすがにすんなりと受け入れてくれないだろうって
だけど実際に見ることとはまた別で。
やっぱりあいつのことが気になって、
ネットを閉じてあいつの連絡先を開く。
コールボタンを押すと、数コールした後に
『もしもし』
お互い忙しくて、なかなか連絡が取り合えなかった分、
すごく久しぶりに聞いたように感じる声に胸が高鳴る。
『…翔平？』
「ああ、ごめん。
…久しぶりだな」
『…うん、久しぶり』
時間が経つと、親しい間柄でもこんなに話しづらくなることってあるんだな
『どうしたの？急に電話して』
あれ…俺なんで電話しようと思ったんだろう
声が聞きたかった…からだっけ
「えっと…元気にしてる？」
悩みに悩んだ挙句絞り出した言葉に、我ながら呆れてしまう。
『……うん、元気だよ』
少し間が空いて、落ち着いた声色で返ってきた言葉。
いや、正確には「落ち着いた」というより
「落ち着けている」ように感じた。
それに何より
あいつはこっちから「元気か？」って訊くと
本当に元気がない時は決まって、
「うん、元気だよ」と返してくる。
『翔平？もしもし？』
相変わらずの声色で話すあいつに、俺は決心した。
「…これから変なこと言うけど、
全部独り言だと思って聞いて」
『え？』
「独りじゃない、俺がいるから。
一緒に戦おう。
＿＿＿…俺が絶対に守るから」
.
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作者名：SFF | 作成日時：2023年4月17日 19時
