9 : 登校中 ページ11
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私が昨日、体育館から逃げてきたせいか
なにか他の理由があるのか分からないけど
なんだか樹に、壁というか気まずさを感じる。
「ねぇ、樹…?」
樹「…ん、何?」
「昨日は、ごめんね。子供みたいに逃げ出しちゃって。もう17になるのに。」
樹「全然、俺だって言い過ぎたと思ってるし。」
「私がマネージャーやるの、そんなに嫌だった?」
樹「嫌っていうか…なんていうか…」
「私は、バスケしてる時のキラキラした樹を一番間近で応援したいんだけなんだよ?」
樹「は、お前…っ!」
「あ!待って!そういう意味じゃない!!…もう!恥ずかしくなるから辞めて!」
気付けばいつもの私達に戻っていて、
さっきまでの気まずさは、何処へ行ったのだろうか?
?「あ、ゆなちゃん、おはよう。…って彼氏さん?」
「北斗くん、おはよ。彼氏じゃないよ、こんな奴(笑)」
北「後ろから見てたら二人がイチャイチャしてたから、声掛けちゃ迷惑かなって思って。」
樹「おい!転校生!馴れ馴れしく ゆなちゃん とか呼ぶんじゃねーよ。」
ふと樹の方を見ると、あからさまに表情は曇っていて。
小学生の頃は私が守ってあげてたのにな、なんて昔の記憶が蘇ってきた。
樹「お前、何ボーッと突っ立ってんだよ。早く行くぞ」
北「絶対俺、お邪魔だったよね…?」
「んーん、北斗くんはいいの。気にしないで(笑)」
三人で通る、初めての通学路。
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作者名:ひな 。 | 作成日時:2017年4月21日 23時