"乳バンド…？" ページ27
子供「A…さん、寒い…もう動けない…」
研究所跡まではもう少し歩かなければいけないけれど、ビスケットルームにいた子供達はもう限界のよう。
「そうだよね、その格好じゃ寒いよね。何かあれば良いんだけど…」
その時、今まで黙っていたお侍さんが口を開いた。
錦「かくなる上は…おのおの方…！頭上に葉っぱをのせよ！！」
フラ「あ！？何言ってんだ、こんな時に！！ガキが凍えて倒れてんだよ！！」
チョッパー「それにこの島、草木一本生えてねェよ！！」
錦「では代用に石でも何でも構わぬ、急げ！！」
麦わらの一味と子供たちはお侍さんに言われた通り石などを頭にのせたみたいだけど、本当にどうにかなるんだろうか。
お侍さんの罠だったりしないだろうか？
私はお侍さんを3つに分解したローの仲間だし、敵といえる存在なわけだし…。
しかし、それはどうやら杞憂だったらしい。
お侍さんがドロン、と言った瞬間、彼らは煙に覆われ、煙が晴れた時には全員暖かそうな上着と靴を身にまとっていた。
このお侍さん…。
「…」
ナミ「何で！？何したの？」
錦「拙者、実は…"世に珍しき果実"を食し、以来、己・他人問わずいかなるものにも変装できる妖術を使えるようになったのでござる！！」
"世に珍しき果実"
…やっぱり。
悪魔の実の能力者だ。
「こんなことできるなら最初からやってくれれば良かったのに。」
錦「……しかし、せっかくの乳バンドをおおい隠すのが惜しく！！！」
「乳バンド…？」
ナミ「こっちの話よ。気にしないで。」
あたたかくなって子供たちも歩けるようになった。
さぁ研究所跡に行こう、そう思った時、何者がこっちに向かってくる音が聞こえてくる。
あれは…茶ひげ？
もしかして麦わらの一味さん達を逃がしたのがシーザーにバレたの？
しかし、茶ひげの後ろから聞こえてくる声は部下のものではない。
？「いた〜〜〜！！！お前ら〜〜〜！！！」
？「みなさんご無事ですか〜〜ヨホホ〜〜」
ナミ「あ！！どうしてここに！！？」
それは、まぎれもなく私が会いたかったあの人の声だった。
「ルフィ…！」
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作者名：ぽんちゃむ | 作成日時：2019年10月20日 8時
