【ONE PIECE】"いないはずの女"はハートのクルー1【ロー】 (ページ2)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:31,075 hit

"分かんない" ページ2

その時は唐突に訪れた。

13年の時が経ったらしいけど、体感としては数分しか経っていないように思える。

13年後の世界。
そこはかつて私が投獄された時と少しばかり違っていた。

目の前の檻には、
若い男が私と同じように鎖に繋がれている。

エース「起きたのか。お前、ぜんぜん動かねェから死んでんのかと思ったぜ」

白ひげ海賊団のエースだと名乗るその男は処刑がもう間近らしい。
口惜しそうに話すのは"残してきた弟"と白ひげの話ばかり。

幼い頃の弟との話や再会した弟の話、白ひげが自分のことを息子だと言ってくれたという話。

それらの話は、何もないこの部屋では私にとって唯一の楽しみで。
ロジャーに子供なんていたんだって驚いたりもした。

自分の話に満足したのか、話が一段落つくとエースは私に質問をしてきた。

エース「で、お前はどうして捕まってんだ？海賊…じゃないよな。Aなんて名前聞いたことねェし。」

『分かんない』

エース「捕まってる理由分かんないって意味わかんねェ！お前面白いな。」

そんなこと言われても分からないものどうしようもないじゃない。
悪いことをしたつもりはないのに、ある日突然ここに連れてこられたんだもの。

『面白いってどういう意味よ。
知らないうちにLEVEL6に投獄されるほどの罪を犯して捕まるアホな女って思ったの？』

エース「わ…悪い。馬鹿にしたいわけじゃねェんだ。ただ、思ったことを言っただけなんだが…いや、それが悪いんだよな。あぁ、思ったって、別に馬鹿にしようって意図があったんじゃなくて…」

エースがあまりにも申し訳なさそうに謝罪の言葉を述べるもんだから笑われたことなんてどうでも良くなってくる。

そんなエースがインペルダウンから連れ出されるのは、それから2日後のことだった。