14. ページ14
〆.
「好きな人……?」
「はい」
小瀧さんは目をぱちぱちさせる。
そりゃそうだ、気になる人がいるという話すらしなくて、
さっきまで理想の告白云々で盛り上がっていたのだから。
「か、会社の人ですか」
「いえ」
小瀧さんの眉が下がる。
「…………その人と、付き合いたい、ですよね」
「そうですね。……なので、小瀧さん。もう終わりです」
立ち止まる。
「キャンセル料とか発生しますよね?料金はお支払いいたします。初案件でこんなことになってしまったのは……本当にすみません」
「……………………………」
「会うのはこれでおしまいです。料金は振込でいいですか?必要事項だけ教えていただいたら……」
小瀧さんは、肩を落としている。
仕事がこんな形に終わるんだから、そりゃそうか。
「料金はいりません、成功報酬としていただくのが決まりなんで」
「……………でも」
「ええねん。俺、Aさんが幸せになれるん、願ってるから!絶対その男と幸せになるんやで!」
泣きそうな顔を無理やり笑顔にして、小瀧さんは元気な声を出す。
「小瀧さん。今までありがとうございました」
深く深く頭を下げる。
「いやいや、こちらこそ!…………あの、一個聞いてええ?」
「なに?」
「Aさんが好きになったその人、どんな人?」
「どんな……」
それも、参考資料の一つだろうか。
「私の、理想の人です。一緒にいると落ち着いて、子どもみたいで可愛くて、でも男らしいとこもあって、自然と笑顔になれる人です」
「………………ほんまに、好きなんですね」
「ええ、好きです」
伝わらない「好き」を、伝える。
「じゃあ、さようなら」
さようなら、小瀧さん。
大好きでした。
〆.
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はゆな(プロフ) - おおともんちっちさん» そんな風に言っていただけるとは……ありがとうございます!見つけていただいたことに感謝です(*´∀`)新作もネタは豊富なので………頑張って文字にします(笑)誰メインかはわかりませんが、新作出したら閲覧お待ちしております! (2019年1月16日 7時) (レス) id: 0cb07950a3 (このIDを非表示/違反報告)
おおともんちっち(プロフ) - すっごい面白かったです!この小説を見つけたのが完結してからすこしたってたんですけど、もっと早く見つけたかった。って思ってます笑新作とか絶対読ませてもらおうと思ってるんで、頑張ってください! (2019年1月13日 21時) (レス) id: 7e91a98b1f (このIDを非表示/違反報告)
はゆな(プロフ) - 結愛さん» ありがとうございます(*´v`)みなさんに私の妄想をお届けして幸せになって頂くことを目標としているので、そういうお言葉がとーっても嬉しいです!現実ではなかなかないような恋愛話を書いてるのでリアリティには欠けちゃいますけど、今後もよろしくお願いします! (2019年1月12日 18時) (レス) id: 0cb07950a3 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - コメント失礼します!(*^^*)ほんとにはゆなさんの書くお話がだいすきです!(´ー`)新しい小説が投稿される度に幸せな気持ちになるしとても嬉しいです!どのお話も何度読み返しても面白いしとても素敵です!これからも応援してます! (2019年1月5日 1時) (レス) id: 54b9345723 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はゆな | 作成日時:2019年1月4日 19時