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「やったじゃん越前!」
「昼食の後、今日残りの1試合いよいよレギュラーの海堂さんとだよ!」
「3年のレギュラーには無理かもしれないけど2年のレギュラーには勝てたりしてな!」
「ハラへった…」
結果を報告しに来たのか、こちらに歩いてきた越前くんと目が合った。
「Dブロック 越前リョーマ 6-0っス、飯食ってきます」
『おつかれさま、越前くん6-0ね、いってらしゃい』
と後ろのホワイトボードに点数を書き込む、ストレート勝ちかあ、先輩相手なのに容赦ないなあ。
「やあ」
『!乾先輩、おつかれさまです!』
「交代するからメシ行ってていいよ」
『ありがとうございます、どうですか?試合の調子は』
「ああ、ほぼイメージ通りに勝ててるよ」
『(乾先輩も6-0…)』
「その1年予想以上にやるな、まだ1ゲームも落としてない」
『そうですね…そういえば乾先輩と同じDブロックでしたっけ、越前くん』
「いや俺より前に…」
『!厄介なのがいますね、2年生に』
「喧嘩売ってんのか」
どこから沸いて出てきたのか海堂はスっとわたしの横に立つ。
相変わらずのその鋭い目つきに少しびっくりしてしまった。
『悪口じゃないじゃん、がんばってね』
「宮野に言われるまでもねえ」
そういって去っていった海堂に続いて『それじゃあわたしも失礼します』とお昼を食べに行くことにした。
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『?越前くん…』
部室へ向かう途中に壁打ちをする越前くんを見つける。
気になってみていれば、ボールが当たる場所はズレることがなく
『(ずっと1ヵ所に打ち続けてる、)』
すごい、と感心して見続けていれば目が合ってしまった。
「…先輩、そこでなにやってんの?」
『!邪魔しちゃった?ごめんね』
「別に邪魔じゃないんだけど、見たいなら見てれば」
『ほんと?越前くん綺麗に打つなあって、顔もかっこいいしまるでテニスの王子様だね』
「ふっ、何言ってんスか」
冗談に聞こえるかもしれないけどこれは本心で、ぶっちゃけ越前くんのことはかっこいいなと思う。
本人に言ったらまた調子乗っちゃいそうだけど。
『まあ越前くん、王子様って柄じゃないもんね』って話を流す。
「!じゃあ俺、そろそろ試合なんで」
『そっか、わたしも後から見にいくからがんばってね』
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「かっこいいとか王子様とか、あの人無意識にも程があるでしょ…」
ほんと勘弁、そんな言葉がポロッと越前から出たのは誰も知る由もない。
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ふれあ(プロフ) - 越前くん好きなので嬉しいです〜!更新楽しみに待ってます! (4月6日 6時) (レス) id: eb7563639c (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷる姫(プロフ) - リョーマくんから夢主ちゃんへアタックってそんな多くないから、読んでてキュンでした。更新待ってます! (2月16日 19時) (レス) id: 4d7ac923b9 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - リョーマくん可愛い、、更新楽しみにしてみます! (10月8日 20時) (レス) @page18 id: ae101f810d (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 後輩リョーマくん好きなので今回の話もすごく読んでいて幸せでした〜!更新ありがとうございます! (9月17日 14時) (レス) @page12 id: b9ed5c1b3d (このIDを非表示/違反報告)
MOMO(プロフ) - とても面白くて…切なくて…リョーマ君の良い所全部注ぎ込まれてるみたいにめっちゃリョーマ君を感じました!キャラ掴めてて尊敬です!良ければ続編も期待しています!! (7月11日 23時) (レス) @page47 id: 086efc5a74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つっきー | 作成日時:2023年4月7日 15時