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こうして少し経って試合が始まったけど、
「ああ〜〜〜〜!!!!」
やはり越前くんの打ったボールは速さも威力もなくネットにかかってしまい、
「おらおらどうしたぁ!?」
『…』
そしてほとんどのボールはコントロールがきかずコートから出てしまう。
「まともに打ってもムダだろうな」
「そだね」
『(そもそもあんなガットじゃスピンもかからない…)』
「ふーん、なるほどね」
『?』
「…てめえに勝機はねえだろうが!」
ゴッ
『!?』
「「う、打てたー!!!」」
なんと越前くんはからだ全体を回転させてスピンかけボールを打ち返した。
『…すごい』
器用なことするなあ、って少し感心してしまう。
「ふ、ふざけるな!!1球かえしたからって……っ」
べしっ
コツを掴んだのか、越前くんはまたもや上手くボールを返球した。
「(このまんまじゃこっちがさらし者じゃねーか!?)」
「そのボール、ジャマだね」
荒井のポケットから不意に落ちたボールを指して
ドッッ
あの時のカゴにスマッシュを決めた時みたく、見事落ちたボールに狙い当てた。
「すげぇ、あの1年!!本物だ!!!」
荒井の取り巻きも、他の2.3年生も驚愕しつつ歓声をあげた。
「な?なんとかなっただろ?」
『…うん、ほんとにすごいねあの子』
「俺も負けてらんねーな、負けてらんねーよ」
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練習が終了し、部は練習の片付けに差し掛かっている。そしてマネージャーの私はというとボールを部室まで運んでいる途中である。
『やっぱ重いなあ、』
でも女子からすればボールのはいったカゴ2つだけでも重い。
『!』
ボーッとしながら運んでいると急に手からカゴを奪われた。
「…これ、部室に運べばいいんスか」
『!越前くん、そうだけど…大丈夫だよひとりで運べるし』
「さっき重いなあって言ってたけど」
『(独り言、聞かれてたんだ、)』
ボーッとしすぎて越前くんがいるのも気づかなかったみたい。
『……じゃあお願いしようかな』
せっかくの好意を無下にするのも申し訳なく、一緒に部室まで運んでもらうことにした。
『そういえば試合見てたよ、越前くんテニス上手だね、わたしびっくりした』
「別に、あれぐらい普通でしょ」
『ううん、あんなボロラケットで勝っちゃうんだもん、ほんとにごいなあって』
「………どうも」
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ふれあ(プロフ) - 越前くん好きなので嬉しいです〜!更新楽しみに待ってます! (4月6日 6時) (レス) id: eb7563639c (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷる姫(プロフ) - リョーマくんから夢主ちゃんへアタックってそんな多くないから、読んでてキュンでした。更新待ってます! (2月16日 19時) (レス) id: 4d7ac923b9 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - リョーマくん可愛い、、更新楽しみにしてみます! (10月8日 20時) (レス) @page18 id: ae101f810d (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 後輩リョーマくん好きなので今回の話もすごく読んでいて幸せでした〜!更新ありがとうございます! (9月17日 14時) (レス) @page12 id: b9ed5c1b3d (このIDを非表示/違反報告)
MOMO(プロフ) - とても面白くて…切なくて…リョーマ君の良い所全部注ぎ込まれてるみたいにめっちゃリョーマ君を感じました!キャラ掴めてて尊敬です!良ければ続編も期待しています!! (7月11日 23時) (レス) @page47 id: 086efc5a74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つっきー | 作成日時:2023年4月7日 15時