【越前リョーマ】わたしが彼を好きになるまで。

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コート前へ着けば仮入部の1年生がちらほら、空いているコートでラリーを続けている2年生が見えた。


準備ができたところでコートへ入ると


「「「ちぃーーっす！！！」」」


『仮入部の1年生？こんにちは』


そっか、今日から仮入部かなんて思いながらボールやラケットを用意する。

まず1年生には部の雰囲気に慣れてもらいたいし、


『1年生、部長が来るまで空いてるコートに入っても大丈夫だよ』


そう声をかけると次々と1年生がコートへ入っていった。


『レギュラーの人はこっちです、集合してください！』




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ポーンと前や後ろにロブを出す、みんなはそれをスマッシュして的確にカゴの中へいれる。


「すげぇ！！全員どこにロブをだしてもすべて…」

「正確にカゴにかえしている…」


ちょうどいいウォーミングアップになると思って始めたのに、単純すぎたかな。

なんて考えてたからふと意識が背いてボールが思わずデカくなる。


『！』

『すみませ、』



ドッ



きれいにボールがカゴへ入る、わたしは思わず固まってしまった。

だってあんな大きくコートの外に外れたボール、だれが打ち返したんだろって。


「あんがい簡単だね」


簡単って…あの1年生がいまの返したのかな。


『ねえいまのって君が、』

「ナメたまねしやがって！1年坊主がしゃしゃり出る場所はねぇんだよ！」

『！』


荒井が1年生の胸ぐらを乱暴に掴む、さすがにまずいと思い止めに入ろうとした瞬間。



「コート内でなにを揉めている」


『手塚部長…』


「騒ぎを起こした罰だ、そこの2人グラウンド10周」

「えっ、ちょっとまってくださいよコイツが…」


「20周だ」

「は、はい！！！」

「…」

手塚部長がそう指示すると荒井は何か言いたげそうに、1年生も不貞腐れたような顔をしてグラウンドへ向かった。

『(助かった…)』


「全員ウォーミングアップ、済んだ者から2年3年はコートに入れ、1年は球拾いの準備につけ」


「以上。」



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練習が少し落ち着いて余裕ができた時、グラウンドにふと視線を移す。

何周目かはわからないけど荒井はすでにバテてるみたいでペースが遅くなっている気がしたけど

『！』

『(あの子、ペース落ちてない)』


『すごい、』


「？何がすごいんだよ宮野」

『あ、桃見て、あの子ペース落ちてないの』

「はは、なかなかの1年生(ルーキー)みたいだな」

『ね、これからが楽しみだなあ』



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