向日葵の咲くおうち ⑤【雪】 (ページ43)

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歩いて、近所の歯医者さんに到着。

陽葵さんは、もう強がる余裕がなくなったのか半べそ状態でひーくんにべったりだ。

これは大丈夫なのか？

【はなざわひまりちゃーん】

歯科衛生士のお姉さんに名前を呼ばれてビクッと反応した陽葵。

待合室に子供が陽葵しかいなかったから、衛生士のお姉さんが気づいて近づいてきてくれた。

【ひまりちゃんですか？】

陽葵『…はぁい。』

【音とか怖いよね。まだ何もしないからさ、こっちのお部屋来てみない？動物さんがいるんだよ〜！】

陽葵『……いく。』

岩本「じゃあ、陽葵。俺はここで待ってるからAさんと頑張っておいで？」

【あ、お父様もよろしければご一緒にどうぞ！】

岩本「え！あ、じゃあ。」

ひーくん、お父様って呼ばれて素で喜んでるじゃん。笑

子供用のお部屋ですごく賑やかだけど、やっぱり歯医者さんの椅子は独特だもんね。

ガッチガチの陽葵に、今から奥さんが出産でもするのか？ってくらい心配そうな顔をするひーくん。

ごめん、私が笑っちゃいそう！！！

歯医者さんは優しいおじいちゃん先生で、陽葵は涙をこらえて頑張ってた。

けど、ちっちゃな虫歯が出来てて、治療することになりキーンという音にビックリしてついに泣き出した。

陽葵『ふぇっ…。』

岩本「陽葵、大丈夫大丈夫！」

『陽葵、危ないから動いちゃダメだよ！』

【もう終わるよ〜あと3秒！いーち、にー、さん！はい、終わり！よく頑張りました！】

岩本「あの、もう抱っこしてもいいですか？」

【大丈夫ですよ！】

岩本「陽葵、よく頑張ったね！」

陽葵『ひーくん…ﾋｯｸ…』

……陽葵に甘えられて、ひーくんニヤけてるよ。

小さな声で『ありがとぉ』と歯医者さんと衛生士さんに伝えた陽葵は待合室でひーくんの手をもみもみしている。

会計を済ませて、帰りに恒例のアイスを購入。

治療したばっかりだから持ち帰れる袋に入ったアイスになったけど！

シェアハウスに帰る頃には、いつものニコニコの陽葵に戻って『ぜんぜんだいじょうぶだった！』と調子のいいことを言っていた。

でも頑張ってたから泣いていたのは内緒にしてあげよう。

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