a bunch of love【雪】 (ページ4)

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❤

……着替えさせてくれたなら、やっぱり見ちゃったよね。

私は幼い頃から父親に虐待を受けていた。

大人になったんだから、しようと思えば自分の意思で逃げ出せたはずなのに勇気が出ないまま、ここまで来てしまったんだ。

そのことを包み隠さず伝えると、彼は私を強く抱きしめて言った。

「俺がAちゃんを世界で1番幸せなお姫様にしてあげるから、俺のところにおいで？」

私の涙でぼやけた視界を覆う彼の逞しい胸板からは、あの香水とは違う爽やかで優しい素の彼の香りがした。

まだお互いのことをほとんど知らない彼の言葉を信じ、手を取って、長年囚われていた父親から逃げ出したのは今覚えばとてもリスクを伴う選択だったと思う。

だけど、私は全く後悔していない。

今、彼と共に過ごす日々は私にとっての幸せだから。

貴方は今日も自分の身体に香水をふる。

私はその匂いに誘われて、今日もあなたの虜になる。

私にとって、貴方の香水の匂いは麻薬みたいなものなのかもしれないね。

【Day2 fin】