a bunch of love【雪】 (ページ14)

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💚

先輩はいつだって優しい。

でも多分それは私だから特別なんじゃなくて、彼は誰にでも優しい人だから。

あと数ヶ月もすれば先輩は高校を卒業してしまう。

阿部先輩は卒業してからも私の彼氏でいてくれるのかな？

学校からの帰りは、受験を控えた先輩との唯一の時間。

『先輩、今日もかっこいいです！特に今日の髪型、すごくお似合いだと思います！アイドルみたい！いや、アイドルにも負けてません！』

「そう？ありがとう。Aちゃんも、リップ新しくした？かわいいね。唇がプルプル」

そんな些細なことも気づいてくれるなんて、人のことよく見てるんだなぁ…と感心。

さすがに、私のことが好きだからだ！なんてポジティブにはなれないけど。

『よく分かりましたね！』

「当たり前でしょ？可愛い彼女のことなんだから、ね？」

『かっ、かわいい！？』

「ん？Aちゃんは、可愛い俺の彼女でしょ？」

『……ふぇ？』

「何そのびっくりした顔。まさか、自覚なかったの？」

『だ、だって…先輩から好きって言われたことない』

「そうだっけ？」

『そうですよ！！！』

「ごめんごめん。じゃあ、ちゃんと言うから」

雪が舞う、学校からの帰り道。

阿部先輩は私の手を両手で包み込み、私の目をしっかり見て言ってくれた。

「俺もAちゃんが、好きです。これからもずっと、ね」

【Day7 fin】