a bunch of love【雪】 (ページ1)

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心配性すぎなあなたはページ1

YELLOW

お気に入りのブラウンのアイシャドウを
アイホールにグラデーションになるように重ね塗り。

黒のアイラインは目尻にだけまっすぐ引く。

チークは青みピンクを頬骨に沿って薄く塗って。

主張しすぎないコーラルピンクの口紅の上に
キラキラのグロスを重ねる。

鏡に映る私はまるで魔法にかけられたかのように、
外行きの私になっていく。

リビングの片隅に置いてあるドレッサーは、同棲を始める時に照が買ってくれたもの。

「俺はどんなAも好きだけど、メイクはAの趣味でしょ？だからこれを使って思う存分可愛くなってよ」と言ってくれたのに、照以外の人と遊びに行く時に気合を入れてメイクすると「なんで俺以外にそんな可愛い顔見せるの？」と捨てられた子犬のような顔をして言い出すからタチが悪い。

彼は昨日、会社の飲み会で帰りが遅かったし、もしかしたらバレずに家を出れるかも…なんて考えていた私の願いは叶わず。

鍛え上げられた上半身を惜しげも無く見せながら寝室から出てきた照にとりあえず挨拶をする。

『照、おはよう。もう起きたんだね』

「おはよ。ってか、A今日どっか行くの？」

『大学の同期と表参道でランチだよ〜』

「女の子？」

『もぉ。当たり前じゃん！女の子だよ！照も知ってる子！男の子いたら照、怒るじゃん』

「当たり前じゃん。なんでこんな可愛い姿の彼女を自分以外の男に見せなきゃ行けないの。ありえない。無理」

『はいはい』

彼の嫉妬も私にとっては慣れたもの。

わんちゃんの甘噛みと変わらないんだから。