青色の王子は黄色のお姫様2

73 -健二郎 Side- ページ23

直人「…A、じゃあ話、ちゃんと聞かせて貰おうか。」

健二郎「ええ加減、ちゃんと話せ。」

剛典「流石に、もうちょっと怪我しちゃった！ってのは…通らないからな。」

広臣「…こんなに痛々しい痣…」

ELLY「大丈夫？痛くない？」

隆二「腕に、足に…背中まで…」

直己「申し訳ないけど、これは言い逃れ出来ないよ。」


椅子に座る7人に、床に座るA。
正座をして、何でこんな状況になってるんかわかってない顔や。


『……なんで、そんな怒ってるんっす、か？』

剛典「あぁっ？！お前なぁっ！！」

『怖い、岩さんむっちゃ怖いっ！』


怖ぇ！っていつも優しくしてくれる臣ちゃんと直己さんの近くに逃げ込むA。
でも、今日は優しい2人もこっち側や。
残念やったなぁ。


広臣「駄目、A。今日はちゃんと話聞かせて。」

直己「そうだよ、そんな沢山怪我して…ちゃんと俺等にも相談して？」


優しく、でもはっきりとAを見つめて言い切る2人。
Aは、またうーん、と臣ちゃんと直己さんの足を掴んで唸るA。


健二郎「あのなぁ、俺達が何で怒ってるかわかるか？」

『………わかんないっす。』

直人「俺達は、どうしてそんな怪我をするまで黙ってるのかって言ってんのっ！」

『黙ってるって…この怪我は…』

剛典「言い辛いのはわかる。でも俺達はそんな相談出来ない程…頼りないのかよ…っ！」

『いや、だから…』

ELLY「A、気付いてあげられなくて…ごめん、ねっ！」

『え、エリーさん…何で泣いてるんですかっ！』

隆二「どこの女にやられたの？ちゃんと言って…落とし前付けさせなきゃ。」

『お、落とし前？！なに、やだ…隆二さん怖いっ…！』

広臣「…A、お願い。俺達に…力にならせて…？」

『え、何で臣さんそんなウルウルした目で…なんっすか？！え、え…？』

直己「臣も、俺達も…皆、Aを心配してるんだよ…だから、ね。」

『いや、えっ…なんか、直己さん。そんな…い、良い感じ…だされて、も…』


おろおろと、臣ちゃんと直己さんの間でうろたえるA。
ほら、はやく観念せぇ…誰も怒らへんって。


俺等の可愛い末っ子苛めてる奴は…許されへんからな。

74 -健二郎 Side-→←72 -健二郎 Side-

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す