青色の王子は黄色のお姫様2

65 -広臣Side- ページ15

『洋服を…、貰って、しまった…。』


良い買い物をしてホクホクしている俺の隣で、俺と同じショップの袋を持って呟くA。
実を言うと俺が洋服を買ったときに笑ったお詫びと、これからもご贔屓にって事で
店長がAにＴシャツを一枚プレゼントした。

まぁ、それ実は俺が前に気に入って買ったＴシャツの色違い。
絶対確信犯だよな、あの店長は。

そんな事を考えてるとまだ、貰って良いものかうんうん唸るA。
こういう所、真面目だよなぁ。


広臣「気にせず貰っとけば？今度行った時に洋服買えば問題ないだろ。」

『でもぉ…このＴシャツ…高いのでは？』

広臣「…1万くらい？」

『高いっ！丸が一個多い！！』


やだ！また着る時に気ぃ使うやつじゃないっすか！って騒ぐA。
まぁ、わかんないでもないけど…相変わらず高い服苦手なんだから。


広臣「はいはい、ほらスタバ奢ってやるから一回落ち着け。」

『スタバ！！…いえっさ！ゴチになります臣さん！』


近くに見えたスタバに入ればひゃっほい、と喜んでさっきより落ち着いた様子のA。
少し込んでいるので、2人で一緒に列に並びながらAが持ってるメニューをのぞき込む。

すると、後ろにいた女の子が小さな声で「ひぇ！」って言った。
…これは、もしやファンの子では？と思いつつ…
まあ、敢えて声かける訳にも行かないので触れない方向でAに意識を戻す。


『臣さん、どれにします？』

広臣「んー、新作のにしよっかな。Aは？」

『うーん、迷い中です。うーん、何にしようかな…うーん。』


真面目な顔でメニューを睨みつけるA。
因みにAが俺の名前を言った時点で後ろの女の子は「ぐっ」って言ってた。
…反応が面白いファンの子だなぁ。

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