捌拾壹 ページ37
A side
ーーin 甘味処
『ホォー……随分と可愛らしいな。』
「そうやろ?!こん時の平次、めっちゃ可愛i………そういう事やないねんA。」
俺ら4人はその服部君の初恋について書かれている情報誌を見ていた。
「きっとこの記事を見たその人の連絡を今でも待っとんねん……」
と目を伏せ悲しそうな顔をした。
「でも気にする事無いんじゃない?例え服部君に初恋の人がいてもそれはもう昔の事、今は和葉ちゃんと良い感じに見えるよ。」
「蘭ちゃん……」
「でもね〜……男にとってファーストラブは特別だから。」
『園子……』
咎めるようにいうと園子は"テヘッ"と笑った。
『まぁ、蘭のいう通り昔は昔、今は今だ。過去をどうこう言ったところでそれは過ぎ去った事なんだから……今を進むしかないんだよ……』
そう言いながら俺の頭によぎったのは、黒いニット帽をしてこちらに不敵な笑みを浮かべる赤井だった。
ーー"今を進むしかない……"
自分で言った言葉にハッとした。
ーーそうだ……
ーー例え赤井が死んだからって、俺はいつ迄もそこにとどまっている訳にはいかない……
ーー俺には守るべき人がいるから…
「A…?」
ーー前を向いて進むしかない……
ーー後ろを振り返ってはいけない……
ーーだけど………
「泣いてるんか?」
『……え?』
ツーっと頬に冷たい何かが伝った。
それは止まることを知らない様に流れていく……
『…ア、レ……?可笑しいな……』
ーーなんで……
『涙なんて……枯れ果てたはずなのに……』
ーーなんで……?
『…ぅっ……うぅ……』
「A……」
泣く俺をあやす様に和葉が俺の背に手を回しポンポンと背を叩いた。
『……しゅう、いちぃ………』
俺は和葉の肩に顔を埋めながら大切な人の名前を紡いだ。
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魄鬼(プロフ) - シェラさん» ありがとうございます(≧∀≦)頑張りますね^ ^ (2017年3月24日 23時) (レス) id: cb73ec7e39 (このIDを非表示/違反報告)
シェラ - とっても面白かったです。続きがとても気になります!更新頑張って下さい(●^o^●)応援してます! (2017年3月23日 12時) (レス) id: 5029201a39 (このIDを非表示/違反報告)
魄鬼(プロフ) - ウォルさん» ありがとうございます(≧∀≦)これからも楽しんでください^ ^ (2017年3月17日 12時) (レス) id: cb73ec7e39 (このIDを非表示/違反報告)
ウォル - 続きすごく楽しみです( ☆∀☆)!! これからも楽しみにしてます♪ (2017年3月16日 8時) (レス) id: 316f55877f (このIDを非表示/違反報告)
魄鬼(プロフ) - 真季さん» 楽しく読んでいただけて嬉しいです^ ^鬼ごっこしている赤井さんはとっても怖そうですね(^^;これからも頑張りますのでよろしくお願いします(*・ω・)ノ (2017年3月16日 0時) (レス) id: cb73ec7e39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魄鬼 | 作成日時:2017年2月16日 23時