青色の王子は黄色のお姫様

43 -亜嵐Side- ページ43

『たっだいまー。』

亜嵐「お帰りー、Aちゃん！お肉来てるよー。」

『わー！ごめん、お待たせー！』


他のメンバーにも待たせてごめんなさい。って謝ってから
バタバタ、と靴を脱いで俺と玲於の間に座るAちゃん。

やっと俺達の所に戻ってきてくれたし、肉食うぞー！て思ってたら…
Aちゃんが箸を準備しながらかるーい感じで爆弾を落とした。


『あ、臣さんが合流したいって言ってるんですけど…どうする？』


来るなら奢ってくれるみたいですけど。
キョロキョロ、と皆の顔を見合わせるAちゃん。

そして、俺達も俺達も顔を見合わせて一瞬考える。
うーん、奢りはかなり魅力的だけど…

ぶっちゃけ、出来ればAちゃんとの交流の場だから控えて頂きたいけど…
うん、先輩にそんな事言える訳ない。

皆も同じ思いみたいだけど、誰も言い出せなくて若干の沈黙。
これは…登坂さん来るコース…


玲於「俺、Aさんと俺達だけが良いっす…。」


きっぱりと、玲於がAちゃんの手をぎゅ、と握って言う。
Aちゃんは少し驚いたけどすぐにふにゃり、と笑顔になった。


『…！わかった。じゃあジェネさんとだけ食べるね。』

玲於「うん。」


玲於の手を握り返した後に「任せろ」って言って当たり前みたいに
また席に立つAちゃん。
いやいや、先輩の誘いだし断りずらいんじゃ…


亜嵐「Aちゃん、断りづらいでしょ？」

『ん？大丈夫。臣さん優しいし絶対気にしないよー。』


ま、もしごねても丸め込む！任せろ、っていたずらっ子みたいに笑って
部屋を出ていくAちゃん。
その後姿のイケメンな事…


龍友「A…男前やなぁ。」

メン「ね、俺ちょっとキュンってしちゃったよ。」


うん、わかる。
俺もめっちゃキュンとした。

しかし、玲於…登坂さん断るとか…本気なんだな。

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