青色の王子は黄色のお姫様

31 -玲於Side- ページ31

【ごめん、今日のAの顔合わせ俺も行く予定だったけど
　途中でHIROさんに会ったて俺はHIROさんと飯行く事になった。
　ごめん。
　A一人でジェネに挨拶させに行くからよろしく。】

【あと、晩飯一緒に食うまでは許可するけどオールはなしで。
　Aは今日中に家に帰れるようによろしく。】


岩さんから届いたメッセージに少しだけ緊張がとける。
ってか…岩さんってこんなに面倒見よかったっけ？
首を傾げてると後ろから隼が俺のスマホを除き見てきた。


隼「玲於ー、岩さん何って？」

玲於「ん、HIROさんに飯誘われて岩さんは来れないって。」

涼太「じゃあ、Aさんだけこっちくるって事？」

玲於「そう、んで晩飯一緒に食うなら食っていいけど今日中に家に帰せってさ。」

龍友「おー、岩さんめっちゃ過保護やん。」

裕太「そう言うタイプやっけ？」

メン「女の子だし、気に掛けてあげてるんじゃない？」


メンさんの一言に皆があぁ、と頷く。
…でも俺が知ってる限り岩さん別に女子でもそんなに気にかける人じゃねーんだけど。

なんて考えていると、部屋の扉がガチャと開く音がした。


亜嵐「たっだいまー！お前等飲み物買って来たぞぉー！」

『お、お邪魔しまーす。』


ひょこっ、と帰ってきた亜嵐君の後ろに見える人に一瞬時が止まる。
俺が会いたくて会いたくて堪らない人だ。


玲於「…Aさん。」


自然と口が勝手に名前を呼んでしまう。
聞こえたのかわかんないけど、Aさんと目線が一瞬合う。
うわっ、やべぇ…めっちゃ手汗出てきた。


亜嵐「途中で会ったからAちゃん連れてきたよー。」

龍友「え、待って。Aちゃんって…亜嵐君めっちゃ仲良くなってへん？」

亜嵐「悪いね、皆。俺達同じ年で超仲良しだから！ね、Aちゃん！」

『ふふ、そーだね。亜嵐君。』


亜嵐君がね、ってAさんに近寄って首を傾げれば笑って頷くAさん。
…待って、亜嵐君近ぇんだけど。

ニヤニヤ嬉しそうにこっちを見る亜嵐君に若干苛立つ。
おい、手伝う宣言どこいったよ…。

俺は立ち上がって亜嵐君とAさんの目の前に向かう。
Aさんからペットボトルを受け取ってあげなきゃ…重いだろ。
ってか、亜嵐君何荷物持たせてんだよ。


玲於「あの…自分、佐野玲於です。それ、持ちます。」

『あ、有難うございます。えと…三代目のななしAです。』


今度ははっきりと目が合う。
あぁ、やべぇわ…マジで好きだわ。

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