青色の王子は黄色のお姫様

28 -HIRO Side- ページ28

HIRO「…Aはジェネ会いたい？」

『…いや。』


ちらり、と岩ちゃんへ視線を送るA。
この子もわかりやすい子になったもんだ。
会ったときは生意気の塊みたいだったのに三代目と仲良くなって丸くなったかな。

でも、俺は別に気軽に飯に誘っただけで無理強いしたい訳じゃないんだよなぁ。
まぁ…自分もそれなりの立場になったし断りずらいのはわかるんだけどね。


HIRO「良いよ、別に断ったからって俺怒らないし？だから本音言ってみなA？」

『…ジェネさんに会いたい、です。』


AKIRA君いつまでたっても会わせてくれないで海外行っちゃうし。
そう言って申し訳なさそうに目を伏せるA。

長い睫毛が伏せられて少し色素の薄い綺麗な瞳が見えなくなる。
こんな綺麗な男の子みたいな子が悲しそうな顔してると頭撫でまわして慰めたくなるんだよな。
…変態っぽいな…今のは撤回。


HIRO「じゃー…今回は岩ちゃんとサシ飯行きますか！」

剛典「良いんですか？」

HIRO「良いよ、むしろ岩ちゃん俺とサシ飯大丈夫？」

剛典「勿論です！むしろありがとうございます！！」

HIRお「じゃあ、ジェネに連絡してAだけ会いに行くって伝えてあげて。」

剛典「はい。」

『ボスー！ありがとうございます！』

HIRO「はいはい、ちゃんとジェネに挨拶して来いよ。」

『うっす！』


岩ちゃんが連絡してる間、嬉しそうにお礼を述べながら頭を下げるA。
自然と俺の手はAの頭の上へ。

…AKIRAが可愛がるのもよくわかるわ。
本当に犬っぽいんだよな、Aって。


剛典「A、ジェネに連絡しといたから礼儀正しくしとくんだぞ。」

『ういっす！ちゃんと挨拶してきます！』

剛典「あと、別に飯行ってもいいけどちゃんと帰る時間は必ず連絡すること。」


家に帰ったって連絡もちゃんと三代目のグループラインに連絡しろよ。
と、心配性の兄の様にAに真剣な顔で言い聞かせる岩ちゃん。
AはAで、ういっす。と岩ちゃんの目をみながらちゃんと返事をしている。


そんな2人の何とも言えなく空気感を目の当たりにして少しだけ驚く。

2人もある意味自分と相手の間に一線を引くタイプだったのにそれが今の2人には見られない。
まるで本当の家族みたいな雰囲気だ。

でもね…


HIRO「…一応、恋愛禁止とは言わないけど距離感はきちんと保つように頼むよ。」

剛典「なっ？！そ、そんなんじゃないですHIROさんっ！！」

『…なんの話っすか？？？』

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