青色の王子は黄色のお姫様

19 -玲於Side- ページ19

『じゃあ今から確認作業を行います。お兄さんもお姉さんも準備は良いですかー？』

玲於「えっと、うん。」

「早くこれほどきなさいよ！」

『はいはい、お静かにー。五月蠅い人は嫌いですよ。』


ベコン、ってさっきあげたコーヒー缶を握り潰してにっこり笑うその人に背中に汗が伝う。
…綺麗な人が怒ると迫力半端ない。


『はい、では確認します。お姉さんがお兄さんに写真送りつけたストーカーで間違いないですかー？』

「知らないわよっ！あんたに話すつもりなんてないっ…。」

『好い加減にしましょうね……いくら女でも容赦しねぇぞ。』

「ひぃっ！！！」


ゾクリ、低く唸るような声に肩が震える。
笑顔は張り付けたままだけど長い睫の下にギラリと光る目が笑ってない。

女はそれを見てガタガタと震えだす。
わかる、怖いよな…お前のせいだけど。


『おやー、震えてちゃわかんないんですよー。
　もっかい聞きますね、あんたがお兄さんに写真送ったストーカー？』

「そ、そう、ですっ…ゆ、許してっ…！」

『駄目ですよ、お姉さーん。
　泣いて許されることと許されない事って世の中にはあるんですから。』


あんたは許されない人。

にっこりってお姉さんの顎を掴んで笑う。
怖い人だけど、頼もしくて胸がキュ、と締め付けられる。

あー。ヤバい…俺こんな時に何考えてんだよ…


『じゃあ、言質も取りましたし…警察に連絡しますけど…
　お兄さん…警察に話、出来ます？』

玲於「うん…大丈夫。」

『良かった、じゃー連絡しますね。
　お姉さんはそのまま黙って静かにしてて下さいね。』


泣き崩れる女の顎から手を離して手慣れた様子で警察に連絡してくれるその人。
すぐさま警察が来て…警察の第一声に俺は驚いた。


「おぉ、まーた捕まえたのかお前。」

『やー、はははっ。今回は別っすよ、別。
　はい、これ言質撮ったデータっす。
　あと…ちゃーんと正当防衛なんで。』


ねっ、て警察の人に手を見せながら和やかな雰囲気で話は進む。

ねぇ、またって何？日常茶飯事なのかよ…
マジで…何なんだ、この人…

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