【実況】異形の彼等と私と【複数実況者】 (ページ2)

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「おっはよー！A！！」

『おはよ…ぴーすけ。』

「わー！今日も低血圧ね。」

ふわふわと思考の回らない頭で隣の美少女こと、ぴーすけに挨拶をする。
今日見た久々な兄の夢が原因ですね、この起きない脳みそは。

「何々、どしたの？」

『んー…久々にあの夢見てさ。』

「あの夢って…まさか！あのまっくろくろすけのやつ？」

『そう、それ。』

「出たー。真面目なAの唯一のなに言ってるかわかんないやつｗ」

べしべし、笑いながら私の肩を叩く手に若干苛立ちを感じる。

でも、まぁ…ぴーすけの言う事が正しい。
確かに私が"何言ってるかわからない"んだから。
この歳になってまっくろくろすけが居る。って…ねぇ。

「A、今も見えるの？まっくろくろすけ。」

『見えるよ、あそこの電柱とか…あの店の前とか。』

聞かれた事実に指でさしながら素直に答える。
今日も今日とて私の世界には当たり前のように見えるまっくろくろすけ。

まっくろくろすけは大きさも様々。
基本小さいけど大きいのは私の身長を超えるのも居る。

「本当に見えてんだね。こわー！」

『別に、見えるけど"何"なのかはわかんないし。何もしてこないし。』

「でも、Aのお兄ちゃん曰くいつか見えるようになるんでしょ？」

『…確か、なんか見つけたら見えるって言ってた。』

「なんかって…何？何々ーっ！」

わくわく、と目を輝かせるぴーすけ。
でも、ごめんね。それは私もわかんないんだ。
夢でその部分だけ聞こえないんだ。

『わかんない。』

「えー！つまんなーい！！お兄ちゃんに聞いてみなよ！！」

『やだよ、家ふらっと出て行って何処居て何してるか知らないし。』

「あたしのお兄ちゃんと一緒だね。」

『ね、困った兄を持つと妹は大変だ。』

ひょい、と足元にある小さなまっくろくろすけを避けながらぴーすけの手を引く。
あのまっくろくろすけは当たるとよくなさそうな気がするから昔から避けてる。
ぴーすけは見えてないから手を引いて上げなきゃいけない。

そんな事をぼーっと考えながら学校へ。
これから新しい高校、新しい生活がはじまる。

「ね、高校楽しみだね！」

『うん。…何もなければ良いけどね。』

「大丈夫だって！Aはあたしが守るから！」

『…ふふっ、有難う。』

ぎゅっ、と私の手を握りなおすぴーすけ。
あぁ…可愛いなぁ。この子は。