✾ ページ6
『ん〜!うまぁ!!』
「はは!もう1個食うか?」
『!うん!』
「大将、ツキちゃんに入れてやって。」
「おうよ!」
『ゴチになりまーす!....やったー。』
そう呟きながら卵を食べているともじゃもじゃのおじさんがこう言った。
「で、どうなのよ。」
「何が?」
「だーかーら!合否だよ、出版社の!」
「馬鹿!毎年毎年同じこと聞いてんじゃねーよ。」
「1週間以内に結果が来るんだよ。」
「んだよ....。落とすぐらいなら、勿体ぶらないでさっさと知らせりゃいいのに。なぁ?」
「なぁ?」
おじさん達がわちゃわちゃと話しているとツキが不意に呟いた。
『わぁ....!これ良い!エディターズバッグ!』
「エデターズバッグ?」
『エディターズバッグね!エディターって編集者って意味なんだけど編集者がよく持ってることからつけられたの!』
「へぇー。」
『このバッグを持って良いのは、選ばれし民であるファッション誌編集者だけなんだよね〜....。』
ツキは、しょぼくれた表情でそう言うとまたページをめくり出した。
その時、ツキのスマホが鳴り出した。
『、はい!』
「あの、すいません。私バンタン社の人事部所属のイムと申します。えー、ユ ツキさんのお電話で間違いないでしょうか?」
『、はい!』
「なになに?」
そう聞く大将を手で諭し、電話の声に耳を傾けた。
「本日は御社の面接に来て下さり、誠にありがとうございました。」
「いえ、こちらこそありがとうございました!」
「え!え!」
「つきましては明日から校閲部にて」
「マジか!!」
騒ぎ出すおじさん達のせいで電話が聞こえず、静かにしてと手でなだめ、ツキは電話に集中した。
「正式採用されることとなりました。」
『....え?』
ツキは呆然とした表情でそう呟いた。
『....はい、はい失礼します。はい。』
ツキはそう言うと電話を切り、耳を離した。
『....受かった。』
「え?」
『バンタン社受かったぁ!』
「うぉぉ!!!」
大粒の涙を流すツキを見て、おじさん達はさらに騒ぎ出した。
「やった、マジか!!!」
「よくやった!!!」
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
165人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kaguya(プロフ) - nanaさん» 少し参考にさせていただいてます! (4月3日 17時) (レス) id: 680b1279bc (このIDを非表示/違反報告)
nana - あれ…主人公が石原さとみに見えてくるなぁ🤔 (3月25日 22時) (レス) @page26 id: 93fd17df6c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:kaguya | 作成日時:2024年3月15日 20時