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先生と連絡がとれた。
例の橋にいらっしゃるらしい。
早く行け、馬鹿ツキ。
『...、はぁはぁはぁ。』
荒い息を吐きながらツキは立日橋を見ると、そこには着物姿のホンがいた。
ホン「...。」
『...先生!
ホン先生!あの、この度は本当に申し訳ございませんでした!』
荒い息を吐きながら、ツキがそう言うとホンは静かに呟いた。
ホン「...別れた妻に、会ってきたよ。」
『え?』
ホン「私には一人息子が居てね...。
最後に息子にあったのは、もう二十年前もなんだ。」
『...。』
ホンは立日橋を見つめながら、懐かしそうにそう言った。
ホン「まだ、舌っ足らずだった息子が”たったばし”、”たったばし”って一生懸命に言うのが可愛くて仕方なくてね。
息子だけに送った秘密のメッセージだったんだが、校閲さんを舐めていたな?。」
『...、余計なことして本当に申し訳ありませんでした!あの、もう二度と先生の校閲は担当しませんので、あの、今後ともバンタン社で書いていただけませんでしょうか?お願いいたします!』
ツキは、ホンに深く頭を下げた。
ホン「...息子が気がかりでね。
この20年間、ずっときっかけを探してきた。
でも、逃げた妻にこっちから連絡するのも、なんだか癪でね?」
『...。』
ホンは呆然とするツキを振り返ると、優しい微笑みでこう言った。
ホン「...君には、感謝しないといかんな?」
久しぶりに見たホンの優しい笑顔に、ツキは安心した表情をした。
『...先生〜...。』
ホン「ユ ツキ。
君は、誰よりも行動力があるね。」
ホンはそう言うとツキに近づき、こう言った。
ホン「”天職”かもしらんな!はははは!!」
『...え、いや...それは違います先生、先生あの、天職は他にあります!あの、それは話すと長くなるのでまた後日...!』
橋の方に歩いていくホンを、ツキは早足で追いかけて行った。
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kaguya(プロフ) - nanaさん» 少し参考にさせていただいてます! (4月3日 17時) (レス) id: 680b1279bc (このIDを非表示/違反報告)
nana - あれ…主人公が石原さとみに見えてくるなぁ🤔 (3月25日 22時) (レス) @page26 id: 93fd17df6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kaguya | 作成日時:2024年3月15日 20時