無防備 ページ46
、
しばらく私の肩に乗る勝己の顔を見てた
、
スースーと寝息をたてる姿は、起きている時の自信家の勝己とは全く別人に見えた
『もー、無防備ー』
私は左手を持ち上げて勝己の髪を撫でた
つんつんと逆立つ髪は硬そうに見えてふわふわとした柔らかい触り心地だった
だんだん、愛おしくてたまらなくて
私はそっと勝己の頬にキスを落とす
、
その途端、んーと掠れた小さい声を上げ勝己が目を覚ます
『ごめん、起こした？』
「…誰の方が無防備だってんだよ」
一旦伸びをしてから体を起こし立ち上がる勝己はヒョイっと私を軽々持ち上げる
いわゆるお姫様抱っこだ
そして何も言わずに勝己の部屋に足が向かっている
『…勝己？』
「…無防備って誰のことだって聞いてんだよ。ガキは大人しくしてろや」
『年上だし！重いでしょ下ろして！』
「軽いだろ」
器用にドアを開けベットに私をのせる
無防備って言われて怒ってんのか？？こいつ
初めて入った勝己の部屋は紺色で統一されていた
これでもかってくらい整頓されている
そして、勝己のいい匂いがする
「じゃー後輩に優しくしてくださいよ、せーんぱい」
ニヤリ、と笑う勝己にさっきまでの可愛らしさは微塵もない
え、もしかしてこれってやばい？
夜の誘いってやつ？
え、襲われかけてる？
オドオドとしていると勝己のデコピンがおでこに飛んできた
とっても嬉しそうな顔であはははと大笑いする
「んな怯えてるやつ食わねぇよ」
『…は』
「もしかして、期待しました？せーんぱい」
『してないわ！』
いつの間にか可笑しくなって2人でしばらく笑っていた
、
「…嫌なんだろ？」
突然、そんなもの悲しい顔でこっちを見るから
柄に無くキュンとしてしまう
私だって恋愛経験がない訳では無い
でもこんなことは紛れもなくハジメテで
この雰囲気がどうなるかも、その言葉が何を指すのか分かっていたし
きっと勝己も覚悟を持って接してくれていると伝わった
、
、
『……嫌じゃ…ないよ』
、
、
優しく、大事にしたいと言わんばかりにそっと触れる手に
交差する声
、
彼は荒くれていて、誰にでも辛口な言葉を使うが
その言葉は私にだけ、甘口
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 258人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
cherry*(プロフ) - やなさん» ありがとうこざいます😭かっちゃんほんと罪🤦♀️🤦♀️ (2021年10月22日 7時) (
レス) id: 1c3e9b003e (このIDを非表示/違反報告)
やな - 続きが気になる♡いつもと違う一面のかっちゃん好きです！！ (2021年10月14日 8時) (レス) id: 6c1718e0e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：cherry* | 作成日時：2021年9月13日 22時
