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零れた言葉を拾った俺は、真っ直ぐ見つめてくる彼女から視線を逸らした。

あたたかくてふわふわなサンドイッチを、彼女は幸せそうな顔をして頬張る。




『…これ、ただのマヨネーズじゃないですよね』

「味噌です。味噌を少し混ぜてまろやかにしてます」

『へえ、そんな知恵が…』



…よく気がついたな。



ヒロ直伝の特別ソース。
この方がパンに馴染んで美味しいんだ。

続かない会話に耳を傾けながら、コナンくんはジュースを啜る。残り少ない液体に揺られた氷がカランと音を立てた。






『美味しかったです、また来ます』

「…はい、今日の代金は僕に払わせてください」

『嫌です、借りは作りたくないので』






いつの間にか全て食べ終えた彼女は、彼女らしい気丈さで僕の誘いを断って財布を出す。

好きを見計らったようにコナンくんが彼女にそっと近づいた。



…盗聴器か。
コナンくんのバックに阿笠博士と言う優秀な科学者が着いていることは承知している。

でも、実際に彼がこうして盗聴器を仕掛けているところは初めて見た。

滑らかで鮮やかな早業だ。
並の人ならまず気が付かないであろう。


…ただ、恐らく彼女なら気がついている。




その後は特に怪しい行動は無いまま、彼女は店を出て行った。

直後、コナンくんはオレンジジュースを飲んでいた手を止め、メガネに手を当てながら静かになる。





「………あれ、」

「盗聴かい?……僕の声が聞こえるだろ?」

「…なんで、」




完璧に彼女に盗聴器を仕込んだと思っていたのか、コナンくんは慌てる。


それもそのはずだ。
彼女が支払いに使った硬貨の裏側、同じく硬くて白いシールが貼られている。

彼女は盗聴器をわかった上で取り外し、返したのだ。





「…そうやってすぐ色んなものに顔を突っ込むのはおすすめしないな、…特に彼女には」

「………」

「彼女からのメッセージだよ」





自分の行動がバレたことに驚愕しているコナンくんに1枚のメモを手渡す。
会計の際に彼女が一緒に手渡してきたものだ。




【あんたの隠し子?私だったから命拾いしたわね、しつけしておいて】



シャシャっと殴り書きのそのメモは、確かに彼女の字だ。

コナンくんの行為を咎めながら、今のところの攻撃意思がないことを伝えている。




「安室さん…彼女は何者なの?」

「…さあ、僕も今、丁度気になってるんだ」





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

ビーフシチュー→←case.23



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cherry*(プロフ) - Lalaさん» コメントありがとうございます🥲そう言っていただけて本当に嬉しいです❤️‍🔥亀更新ですが是非最後までお楽しみください、!! (5月30日 17時) (レス) id: 04cb4253df (このIDを非表示/違反報告)
Lala(プロフ) - 最高です!こんなに最高なストーリーは初めてです!大変でしょうが更新を待ってます。かなり楽しみです🥰 (5月30日 12時) (レス) @page38 id: a10f094dfd (このIDを非表示/違反報告)
cherry*(プロフ) - ナミさん» わーー!こちらにも!!ありがとうございます🥲すごく嬉しい🥲 (2023年4月9日 19時) (レス) id: 04cb4253df (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - コメント失礼します。一気読みしてしまいました!作品の題名がすごくいいですね!!応援しています(^^)これからも頑張ってください!!! (2023年4月9日 13時) (レス) id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:cherry* | 作成日時:2023年2月4日 17時

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