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「おい、どうした?状況は!?……応答しろ!」






しばらくして突然音のしなくなった電話の向こうに、嫌な予感が這う。
まさか……何かあった訳じゃないよな。




「《久しぶりだな》」




呼びかけてみると、低く落ち着いた声が聞こえた。
この声は……先程まで話していた部下のものでは無い。
 



「《バーボン……いや、今は安室透君だったかな?》」





赤井……秀一……。

侮辱にも程がある。

わざわざ部下の元まで戻ってきたということだろう。
そしてその部下のスマホを借りて、こうして俺と会話をしようとしている。





「《君の連れの車をオシャカにしたお詫びにささやかな手土産を授けた。楠田陸道が使用した拳銃だ、入手ルートを探れば組織について何か分かるかもしれん……ここは日本、そういうことはFBI(我々)よりも君らの方が畑だろ?》」




ハッとする。



「まさかお前、俺の正体を!?」

「《組織にいた頃から疑ってはいたが…あだ名が【ゼロ】だとあの坊やに漏らしたのは失敗だったな。【ゼロ】とあだ名される名前は数少ない……調べやすかったよ、降谷零君……》」




今度こそ息を飲む番だった。

赤井秀一とはコードネームを貰ったばかりの頃からの関係だ。
共に同じ家で過ごし、些細なことで喧嘩したり笑いながら晩酌をしたこともあった。

組織の頃から疑われていたということは即ち、俺の詰が甘すぎることを言う。

握った拳に爪の後が出来そうなくらい、悔しさに悶えているのがわかった。


俺は、赤井秀一に1枚負けたままなのだ。





「《恐らく俺の身柄を奴らに引渡し、大手柄をあげて組織の中心近くに食い込む算段だったようだが……これだけ入っておく》」




黙ることしか出来ない俺に追い打ちでもかけるかのように、赤井秀一は声をワントーン落とした。




「《目先のことに囚われて狩るべき相手を見誤らないで頂きたい……君は、敵に回したくない男の1人なんでね》」






……くそ。

今すぐにでもこのスマホを叩きつけて悪態をつきたい気分だった。

完全にやられた。
その現実だけが俺を叩く。



不快である。

余裕ぶって俺を叱る赤井秀一に腹が立っている。

でもこの状況に追い込まれるまで勝ったと思っていた自分にも、死ぬほど腹が立っている。

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cherry*(プロフ) - Lalaさん» コメントありがとうございます🥲そう言っていただけて本当に嬉しいです❤️‍🔥亀更新ですが是非最後までお楽しみください、!! (5月30日 17時) (レス) id: 04cb4253df (このIDを非表示/違反報告)
Lala(プロフ) - 最高です!こんなに最高なストーリーは初めてです!大変でしょうが更新を待ってます。かなり楽しみです🥰 (5月30日 12時) (レス) @page38 id: a10f094dfd (このIDを非表示/違反報告)
cherry*(プロフ) - ナミさん» わーー!こちらにも!!ありがとうございます🥲すごく嬉しい🥲 (2023年4月9日 19時) (レス) id: 04cb4253df (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - コメント失礼します。一気読みしてしまいました!作品の題名がすごくいいですね!!応援しています(^^)これからも頑張ってください!!! (2023年4月9日 13時) (レス) id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:cherry* | 作成日時:2023年2月4日 17時

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