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だけどこの計画を作ったのは恐らく赤井秀一では無い。
彼が最期に残した「まさかここまでとはな……」と言う言葉にその全てが詰まっているだろう。
「私には自分の不運を嘆いているようにしか聞こえませんが…」
「ええ…当たり前にとらえるとね……だが、ある言葉を加えるとその意味は一変する」
まさかここまで【読んで】いたとはな
「そう……この計画を企てたある少年を賞賛する言葉だったというわけですよ」
「なるほど……おもしろい」
江戸川コナン。
彼のことは出会った頃から頭がキレる少年だなと思っていた。
他の子と比べてもずば抜けてるし、なんならそこら辺の大人と比べても勝る程の実力をもっている。
でも恐らく、この仮説は間違っていないだろう。
「そこからは簡単でした。来葉峠の一件後、その少年の周りに突然現れた不審人物を捜すだけ…。そしてここへ辿り着いたというわけです」
ただ、ここは工藤邸。
工藤優作、有希子夫妻と江戸川コナンの関係は未だに不明だ。
それでも、沖矢昴がここに住まわせて貰っているのだけは確かである。
俺は机の上に自身のスマホを出した。
現在、来葉峠にて俺の部下たちが赤井秀一の仲間達を追跡している。
さすがの赤井秀一も、組織のバーボンに仲間の生死を握られているなら正体を明かさざる負えないだろう。
「そのマスクを取ってくれませんかねぇ、沖矢昴さん」
マスクとメガネで表情ほ読めない。
それでもピリッと痺れる空気に、俺は口角を上げた。
「いや……FBI捜査官、赤井秀一……!!」
「君がそれを望むのなら…仕方ない」
「……フン、それはありがたい」
これもまた沖矢昴はすんなりと受け入れた。
なんだ。
なんなんだこの感覚は。
なにかの手中にいるような不快さがまとわりつく。
目の前に座っている彼は自身の顔に手を置き、身につけていた白マスクを取った。
そしてゴホゴホと咳をする。
「少々風邪気味なのでマスクをしてもいいですか?君にうつすといけない」
「そのマスクじゃない……」
俺が言っているのは変装マスクのことであって、風邪予防のマスクのことでは無い。
一気に肩の力が抜ける。
「変装?赤井秀一?……さっきから一体なんの話です?」
沖矢昴はまたゴホゴホと咳をこぼす。
後ろで騒がしいテレビではマカデミー賞も終わりに近づき、最優秀脚本賞の受賞が執り行われようとしていた。
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cherry*(プロフ) - Lalaさん» コメントありがとうございます🥲そう言っていただけて本当に嬉しいです❤️🔥亀更新ですが是非最後までお楽しみください、!! (5月30日 17時) (レス) id: 04cb4253df (このIDを非表示/違反報告)
Lala(プロフ) - 最高です!こんなに最高なストーリーは初めてです!大変でしょうが更新を待ってます。かなり楽しみです🥰 (5月30日 12時) (レス) @page38 id: a10f094dfd (このIDを非表示/違反報告)
cherry*(プロフ) - ナミさん» わーー!こちらにも!!ありがとうございます🥲すごく嬉しい🥲 (2023年4月9日 19時) (レス) id: 04cb4253df (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - コメント失礼します。一気読みしてしまいました!作品の題名がすごくいいですね!!応援しています(^^)これからも頑張ってください!!! (2023年4月9日 13時) (レス) id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:cherry* | 作成日時:2023年2月4日 17時