case.20 ページ20
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米花町二丁目、21番地。
聳え立つ豪邸は正真正銘、俺の家だ。
……が、現在ここは俺が住んでいる訳ではなく、居候の沖矢昴という大学院生が居るのみである。
当の俺は黒ずくめの組織の謎の薬によって子どもの姿に帰られて以来、江戸川コナンと名を改めて幼なじみである蘭の家に世話になっていた。
来訪チャイムを鳴らして門を開けてもらい、慣れた足取りで応接室に向かう。
「また随分と遅かったな」
「先に博士のところに寄ってきたんだ」
迎え出たのは糸目の優しそうな男だ。
彼がこの家の居候の沖矢昴である。
だがそれは仮の姿で、彼の正体は赤井秀一。
FBI捜査官だ。
昨日、杯戸小学校の教師を取り巻く事件が起きた。
その推理に一役買って出たのは、被害を受けた女性から依頼を受けていたと言うバーボンだった。
彼はおっちゃんに突然弟子入りした謎の私立探偵。
正体は組織のバーボンだってこと以外、何も知らない。
強いて言うなら組織で死んだことになっている赤井さんの生死を勘ぐっている要注意人物である。
でも変なんだ。
宅配便の事件や俺が攫われた時に、彼は俺たちと協力すると言う道を選んでいる。
「…電話で言った通り、やっぱりベルモットに楠田陸道の死因がバレた線が高い」
「……その調子なら今日あたり乗り込んで来そうだな」
「そう。だから助っ人を呼んできたんだ」
バーボンについて分かっていることは少ない。
頭がキレて、洞察力が鋭いこと。
灰原のことを直ぐに殺そうとはしなかったこと。
バーボンが【ゼロ】と言う単語に反応したこと。
『僕の日本から出ていけ』とFBIに対抗したこと。
そこから推理して、俺はひとつの仮説を立てた。
彼は本当に組織の人間なんかじゃなくて、とある職に就いていて組織に【潜入】しているのではないか。
そしてその職とは、全国の公安の指揮を取る警察庁所属の公安警察……俗に言う【ゼロ】の一員なのではないか、と。
……まぁ、昨日本人にそれを詰めたら『誤解している』だなんて言われたわけだけど。
ピンポーン、と軽快にチャイムがなる。
「来たみたいだね」
「ホォー、坊やが頼る助っ人か。では招くとしようか」
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cherry*(プロフ) - Lalaさん» コメントありがとうございます🥲そう言っていただけて本当に嬉しいです❤️🔥亀更新ですが是非最後までお楽しみください、!! (5月30日 17時) (レス) id: 04cb4253df (このIDを非表示/違反報告)
Lala(プロフ) - 最高です!こんなに最高なストーリーは初めてです!大変でしょうが更新を待ってます。かなり楽しみです🥰 (5月30日 12時) (レス) @page38 id: a10f094dfd (このIDを非表示/違反報告)
cherry*(プロフ) - ナミさん» わーー!こちらにも!!ありがとうございます🥲すごく嬉しい🥲 (2023年4月9日 19時) (レス) id: 04cb4253df (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - コメント失礼します。一気読みしてしまいました!作品の題名がすごくいいですね!!応援しています(^^)これからも頑張ってください!!! (2023年4月9日 13時) (レス) id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:cherry* | 作成日時:2023年2月4日 17時