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ドアを開こうと手を開けた瞬間、ドシャっと大きな音が後方で聞こえて私たちは一旦会話と動きを止めた。

振り返ると、すぐそこの階段の真下に転がる人影を見つけることが出来た。




「今、誰かが階段から……」

『落ちた……?』





……いや、上になにか……。





「……人影ね」





人影はそのまま闇の中に走って逃げ消える。




「……どうやら、パズルは完成しそうですよ」





バーボンはタイミングを見計らいそう声に出すと、扉を開けて階段下の女性の顔を見た。

その顔は確かに、バーボンがいまさっきまで画面で見ていた渋谷夏子の顔で間違いは無い。





『……これ、あんたのクライアントじゃないの?』

「公衆電話がある。警察と救急車にかけましょう」





警察が来て本格的に厄介事に巻き込まれるのは嫌だし、何しろ私たちは国際的犯罪組織の一員なのだ。
これ以上この場に残れない。

しばらくして救急車が来るのを見届けてから私たちは立ち去った。








「シア、本当に駅で良かったんですか」

『あなた達に私の家まで知られたくないから』

「残念です」






バーボンにはそのまま駅近くまで送ってもらい、私は電車で米花まで電車で帰ることにしよう。

多少めんどくさいが、家を知られるよりかはずっとマシだ。







「じゃあおやすみ子猫ちゃん(キティ)

『犬よ、ベル。あんたは何度言えば分かるの?』

「可愛ければ全部キティよ」







バーボンとベルはまだやることがあるらしいから、ここで別れることになる。
しばらく狭い車内にいたからか、ベルの香水が服について離れてくれそうになかった。





「あ、……シア」

『なに』

「いい夜を」

『…………あなたこそ』




そしてバーボンもわざわざ引き止めてまでそのセリフを言う必要があったのか。

ほろ苦い雰囲気にベルが苦笑する。
何故か少し小っ恥ずかしくて、私は逃げるように背を向けて早足でホームへ向かった。

おかえり→←case.19



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cherry*(プロフ) - Lalaさん» コメントありがとうございます🥲そう言っていただけて本当に嬉しいです❤️‍🔥亀更新ですが是非最後までお楽しみください、!! (5月30日 17時) (レス) id: 04cb4253df (このIDを非表示/違反報告)
Lala(プロフ) - 最高です!こんなに最高なストーリーは初めてです!大変でしょうが更新を待ってます。かなり楽しみです🥰 (5月30日 12時) (レス) @page38 id: a10f094dfd (このIDを非表示/違反報告)
cherry*(プロフ) - ナミさん» わーー!こちらにも!!ありがとうございます🥲すごく嬉しい🥲 (2023年4月9日 19時) (レス) id: 04cb4253df (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - コメント失礼します。一気読みしてしまいました!作品の題名がすごくいいですね!!応援しています(^^)これからも頑張ってください!!! (2023年4月9日 13時) (レス) id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:cherry* | 作成日時:2023年2月4日 17時

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