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case.19 ページ16

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辺りは暗い。
杯戸公園の道端に止めた白いRXー7に乗り込むなり、甘い香水が私の鼻腔をくすぐった。





「驚いたわ。まさか貴女が日本に来てるだなんて」

『…気になる人を追いかけて何が悪いわけ?』






久々に見る番号から連絡が来たかと思えば、こうして狭い車の後部座席に座らされる。

私を呼び出したのは助手席に座るプラチナブロンド、ベルモットだ。





「あら、悪いなんて言ってないわよ子猫ちゃん(キティ)

『どっちかと言うと(ポピー)よ。低能なあんたの猫と一緒にしないで』

「……低能で悪かったですね」

『あんたは自分が猫な自覚があるのね、変なの』




今度は運転席のバーボンが唸る。
ウイスキートリオの解散以降、彼はベルモットにこうして気に入られている。

今回もベルモットに私が日本にいることをわざわざ教えたのだろう。
全く、よく仕事ができる猫ちゃんである。






『なぜ私を呼んだの』

「気になる人を追いかけるのは悪いことじゃないんでしょう?」

『用がないなら帰るってのも悪いことじゃないはずよ』





ピリッと空気が痺れる。
ベルモットは心底この状況を楽しんでいるように見えるが、実際とても居心地が悪いのは事実だ。

私は昔からこの女の掴めない性格が苦手で仕方なかった。
そしてバーボンは彼女によく似た掴みどころのなさを持っている気がする。





「貴女、キールに会いたいんでしょう?」

『……バーボン、あんたが言ったの?』

「もちろん」





キール、とは水無怜奈のコードネームだ。
情報収集家のバーボンも持ち得ない情報をベルが簡単に手渡すとは思えないので、ここはスルーしてもいいだろう。





『……ベル、あんたに協力を頼むつもりは無いから、』

「あら残念……ん?バーボン、誰よそれ」






最初からそう言うことは予想してた、とでも言いたげな態度でクスリと笑ったベルは、隣のバーボンに目を移す。
バーボンが開いていたスマホの画面を除き見ると、そう尋ねた。





「渋谷夏子、28歳…小学校教師…。僕の依頼人であり、なおかつ僕が捜し求めている最後のピースを埋める手助けをしてくれそうな人物ですよ」

「だからなんなのよ?そのピースって、」

『……依頼人?』

「私立探偵をしてるんです、シアも私生活で困ったら相談にでも来てください」

『行くわけないじゃない……私、帰る』

.→←相当の努力



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cherry*(プロフ) - Lalaさん» コメントありがとうございます🥲そう言っていただけて本当に嬉しいです❤️‍🔥亀更新ですが是非最後までお楽しみください、!! (5月30日 17時) (レス) id: 04cb4253df (このIDを非表示/違反報告)
Lala(プロフ) - 最高です!こんなに最高なストーリーは初めてです!大変でしょうが更新を待ってます。かなり楽しみです🥰 (5月30日 12時) (レス) @page38 id: a10f094dfd (このIDを非表示/違反報告)
cherry*(プロフ) - ナミさん» わーー!こちらにも!!ありがとうございます🥲すごく嬉しい🥲 (2023年4月9日 19時) (レス) id: 04cb4253df (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - コメント失礼します。一気読みしてしまいました!作品の題名がすごくいいですね!!応援しています(^^)これからも頑張ってください!!! (2023年4月9日 13時) (レス) id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:cherry* | 作成日時:2023年2月4日 17時

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