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角を曲がると大通りに出て、コナンくんが案内してくれた喫茶店が見えるようになった。
外から見てもいい雰囲気のあるオシャレな店だ。
3階建てのビルの1階を店舗としていて、2階はかの有名な毛利探偵事務所で3階は居住エリアとなっているらしい。
『ありがとうコナンくん、ここらに用があるの?』
「あ、うん!あの探偵事務所に…」
『へぇ、……ご馳走するから、君も何か頼みな?』
「…わぁ!ありがとうお姉さん!」
『ううん、このくらい平気だよ』
こんなに幼い少年が探偵事務所に用事があるなんて、私には到底思えない。
そんな少年は先程から私のことを必要以上にじっくり見ている気がする。
そんなに私はおかしな行動をしていたか、?
不安になるが怪しまれるようなこともしてない気がするし、こんな幼い少年相手に警戒する理由もない。
不意に店先に視線を移したコナンくんは、ポアロの刺繍がされたエプロンを身につけた男性にハッ、と顔を曇らせた。
そしてすぐに可愛らしい笑顔を取り繕い、彼に声をかける。
「あ、……安室さーん!」
「コナンくん?」
『……、』
「おや、コナンくん……そちらは?」
…………あ。
ふわっと懐かしい香水の香りが風に乗って届いた。
いくら顔が見えなかったとはいえ、遠くから彼だと分からなかったのは不覚だ。
2年前までは毎日のように顔を合わせていたというのに。
「さっきそこで会ったんだ。……もしかして安室さん、知り合いだったりするかなーって」
「僕かい?知り合いじゃ…」
『久しぶりね』
「……」
『あれ、もう私の顔忘れちゃったわけ?……安室くん』
安室と呼ばれた彼は私との仲を否定して繕おうとしたが、私はそれを食い破る勢いで否定し直した。
挨拶がわりに、ほんの意地悪のつもりだ。
組織のバーボンがこんな子供にまでコネクションを作っているのは解せないことである。
『諸星Aよ。…2年ぶり』
「……諸星、そうか、久しぶり。」
「…………やっぱり知り合い?」
私たちの距離感にコナンくんは顔を顰めた。
……いや、元から予想していた悪いことが的中したように、ピリッと警戒心を尖らせた……と読んだ方が近いかもしれない。
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cherry*(プロフ) - Lalaさん» コメントありがとうございます🥲そう言っていただけて本当に嬉しいです❤️🔥亀更新ですが是非最後までお楽しみください、!! (5月30日 17時) (レス) id: 04cb4253df (このIDを非表示/違反報告)
Lala(プロフ) - 最高です!こんなに最高なストーリーは初めてです!大変でしょうが更新を待ってます。かなり楽しみです🥰 (5月30日 12時) (レス) @page38 id: a10f094dfd (このIDを非表示/違反報告)
cherry*(プロフ) - ナミさん» わーー!こちらにも!!ありがとうございます🥲すごく嬉しい🥲 (2023年4月9日 19時) (レス) id: 04cb4253df (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - コメント失礼します。一気読みしてしまいました!作品の題名がすごくいいですね!!応援しています(^^)これからも頑張ってください!!! (2023年4月9日 13時) (レス) id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:cherry* | 作成日時:2023年2月4日 17時