goodnight【降谷零】 (ページ40)

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case.7 ページ40

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朝ごはんはコーヒーだけ。

昼はテキトーに外でとって、夜はだいたいジャンクフード。

そんな不健康な生活が普通だった私とライを一番最初に怒ったのは……確かスコッチだった。

4人での共同生活が始まりスコッチが作るバランスのいい3食をきちんと取るようになってからは、むしろそっちの生活の方が当たり前になっていささか不思議な心地がしていた。

美味しいご飯を4人で囲むのは、日々の至福のひとつになりつつあるのだ。

、

まあそれは今日だって例外じゃないわけで…

「シア！ご飯！」

『…』

「シア！」

『あぁもう！分かったわよ！！！』

部屋の扉の前で永遠と私に呼びかけるスコッチの声。

ベッドの上で壁に背を預けたまま体育座りをしていた私は足を動かざる負えなかった。

そのまま『私は機嫌が悪いです』と言わんばかりに荒々しくリビングに足を運ぶ。

『もー、スコッチがうるさい！…ねぇバーボン！スコッチに朝ごはんは要らないって伝えろと言ったでしょ！？』

｢…………オレがうるさい？？｣

「僕は伝えましたよ…、スコッチが聞かないんです」

怒っているスコッチを無視しながらも定位置の椅子に座る。

隣のバーボンに文句を言うと彼は頭を抱えた。

「オレの作ったご飯を抜くなんて許さないからな」

『…私の分、作らなければいいじゃない』

「うるさい、食べなさいシア」

『はぁ？ママかよ』

「シア」

あーもう、食べればいいんでしょ食べれば！

先程からいい香りのする熱いお味噌汁を1口口に含むと味噌の深い味わいが喉に流れる。

お味は？とでも言いたげに私を見るスコッチと、様子を伺う素振りを見せるライとバーボン。

その目線が気になりはしたけど…でも、そんなことより…

『………………おいしい』

「だろ？」

彼は先程と打って変わってニコッと嬉しそうに微笑んだ。

あー悔しい。

スコッチの料理が美味しいのが悪い。

まるで小さな子の世話をするかのようにスコッチは私の頭をぽんぽんと撫でる。

「食べなきゃ力にならないぞ」と言うその姿がちょっと癪に触るのは内緒だ。

あのお味噌汁は、一生私の記憶に残ると思う。

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