case.6 ページ31
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ドカッとふかふかの2人がけソファに腰をおろす。
初めは慣れなかったこの家も、これだけ住めば自室のように過ごすことが出来た。
家主に油断ならないのには変わりないが。
『ライにスコッチにバーボン…って、今日はウイスキーばっかりじゃない』
おっと、今呼ばれたのコードネームじゃない。
目の前のテーブルに並ぶこのお酒たちだ。
センス悪〜、と嫌そうにセリフを吐いて、同じくドカッっと俺の隣に腰掛けたのはバレンシア。
こちらも俺たち3人と同居することにすっかり慣れたらしい。
こうやってなんの声がけもせず隣に座るのが証拠だ。
続いて一服していたスコッチとライがベランダから戻り、それぞれひとりがけのソファに腰をおろす。
朝ごはんや晩酌の時、少なくは無い頻度でこうやって4人はテーブルを囲む。
そんな時は毎度俺の隣にバレンシア、向かいにスコッチ、バレンシアの向かいにライ…ってのが定位置になりつつあった。
「悪かったなシア。ウイスキーだけで…」
『スコッチが謝る必要はないわ。買ったのはライとバーボンでしょ？…それにまだ缶のやつもあったはずだから』
「あ、立ち上がったならツマミを取ってきてくれ」
『うるさいライ、その長い足動かしたら？』
「いいよ、俺がとってくる。行こうシア」
バレンシアとスコッチは気が合うようだった。
逆に、俺とライの反りが合わないようにライとバレンシアはよく軽い喧嘩をしている。
…………え、俺？
あぁ……バーボンとバレンシアは、まぁそこそこの仲だ。
バレンシアの圧倒的な信頼を勝ち取るスコッチと、バレンシアとは仲悪そうなのに息だけはバッチリ合うライを羨ましくも感じたり感じなかったり………。
缶のやつ…って言ってたから缶の酒を持ってくるかと思ったのに、コカコーラを持ってきた彼女は再び俺の隣に座る。
美味しそうなツマミを持ってきたスコッチが席に着いたところでそれぞれコップにウイスキーを注いだ。
「なんでウイスキーは嫌なんだ？」
『嫌に決まってるでしょ、ただでさえ
「だからコーラか？」
『んなわけないでしょ？飲まないなんて言ってないわ』
「…なんなんだお前」
『うるさいライ。そこのスコッチ取って』
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作者名：cherry* | 作成日時：2022年8月23日 11時
