goodnight【降谷零】 (ページ29)

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実の家族がもういない私。
そして実の家族と距離を置いてFBIに入ったシュウ。

彼の実の弟が私の1歳上なこともあって、年齢的にも接しやすかったのだろう。

互いに仲良くなるのに時間はかからなかった思い出がある。

組織に潜入捜査という酷な立ち回りの中で、近いところに彼がいることがどれだけ支えになっていたか。

それは計り知れないことだろう。

「なぜ電気を付けなかった」

『電気？…つけなきゃいけなかった？』

「いや、俺1人なら事足りるが君まで暗闇にいることはないだろう？」

コーヒーの缶をパソコンの明かりに照らして判別したのがバレていたのか、シュウはそう言った。

確かに、この暗さじゃ満足に缶コーヒーのパッケージなんで読めないだろう。

『でもシュウ、急に明るくすると困るでしょ？』

「なぜそう思ったんだ？」

『そんな綺麗な緑色の目をして置いてよく言う。私みたいな黒系統の色と違って急激な眩しさにちょっと弱いはず』

「そこまで気にする必要は無い。大して変わらんよ」

以前ウイスキートリオと任務を一緒にやった時、突然向けられた車のヘッドライトにバーボンとライだけが強く反応したのだ。

何故だろうと思ってスコッチと話したら、どうも目の色に関係しているらしい。

レイやシュウのような綺麗で薄い色に近づく程、光に弱いようなのだ。

メラニン色素が関係しているらしい。

「へぇー勉強になったなー」と納得したものの、今の今まで忘れていた。

確かに、こんな知識は日常であまり使わないだろう。

「こんな暗いところで2人きり…何をしているお前ら」

突然かかった声に私たちは揃って入口のドアに視線を注いだ。
まぁ…声の主は見ずともレイだ。

「帰るぞA」

『え…あ、うん。…じゃ、お疲れシュウ。いい夜を』

「あぁ、今日は早く寝るさ」

心做しかレイがピリピリしている。

忙しかったし仕方ない。
書類仕事や事後処理もあっただろうしなー、とも思うけど、いつもより圧倒的にシュウに対する敵意がデカイなとも感じる。

今更なので敢えて何も突っ込まないけど。

挨拶を交わして椅子から立ち上がった瞬間、カチッと音を立てて電気がつく。

途端、明るくなった部屋。

うわぁ、と嫌そうな顔をするシュウと、電気をつけた本人のくせにダメージを食らってるレイ、、、。

………あーあ、言わんこっちゃない。