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私の気配が動いた瞬間、弾が集中した。
通った跡を綺麗に追いかけるように降り注ぐ。
『ライっ』
そのまま勢いを止めることなくシュウのいる柱に滑り込む。
抱き抱えるようにして私のスピードを殺した
でも今はそんな言葉なんて耳に入らない。
『こっちで何とかするから』
どうしても拳銃だと距離を詰めなければならないけど、遠距離用のライフルよりはずっと使い勝手が良い。
ホルスターから愛用の銃を取り出すと利き手でグリップを握る。
引き金にはまだ手をかけないけど、撃つ準備は整ってる。
嫌そうな顔をするシュウに目もくれず私は再び前に出る。
女なのでシュウやスコッチより小柄であることを活かして、物陰やらなんやらに身を隠しながら場所を変える。
銃弾も私を追うのに夢中だ。
手前の柱では私に合わせてバーボンが駆け出していて、私に注いでいたはずの銃弾が分散し始める。
その瞬間、3箇所から撃たれていた流れが1つ消える。
『…やるじゃん』
視界の端で敵が1人倒れるのが見えた。
この速さで1人仕留めるとは……拳銃の腕はピカイチ、、、。
そのおかげでバーボンの方に敵の意識が集中したことを確認し、私はその隙を突く。
今いる自分の位置から近い敵さんの頭目掛けて1発。
残り……1人。
パリーン
大きな音を立てて小窓が割れる。
月明かりが差していた窓……それが割れた。
いや……約束通りバーボンが割ったのだ。
でもこの場でバーボンが窓を割ったと認識出来たのは恐らく割った本人であるバーボンと命令した私だけ。
スコッチもシュウもその窓に釘付けになる。
部屋にあった数少ない明かりの入口のひとつが突然割れたのだ。
……目が行きやすいのは当然。
……そしてそれは敵も然り。
降り注いでいたはずの銃弾が一瞬、途切れる。
パァン
と、乾いた拳銃が静けさを取り戻したビルに響く。
それ以来マシンガンのような銃弾の雨が降り注ぐことはなかった。
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作者名:cherry* | 作成日時:2022年8月23日 11時