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警察庁にて ページ9

ふらつく足取りで自分の家に帰る頃にはスマホに3件程の呼び出しがあった

もちろん公安……もとい零さんからであり、先程起こった薬の取引の不備による抗争についてだ















服を着替えて怪我が外から分からないことを確認すると私はそのまま警察庁に直行した






『被害者は10名近くもいます、流石にただの事件に収めるには難しいかと』

「……表向きに公開するのも躊躇うべきだな。分かった、俺の方から上に言っておく」

『了解です、マトリにもそのように伝えます』









二人しかいない警備企画課の部屋でコーヒー片手に私たちは向かい合う

話が纏まったので、現在警視庁にて事件の処理をしてくれているであろう風見さんに電話を繋ぐ







『……もしもし風見さん、こちらの判断としてはこのまま全てを世間に公表するのは難しいとなりました。また上と相談してから指示を下すことになると思うので調査中として報道は引き伸ばしてください』

「《了解です、》」







事件の報道を公安が規制するのはわりとよくある事だ

同じくして印象操作のために多少改ざんした物を報道する時も多々ある





それが公安警察の正義なのだが、傍から見れば良い印象に見えることは無い








突如、体がふわっとするような浮遊感に包まれる

頭では限界だと分かったけど、どうにも思考が追いつかない




風見さんからの電話を切ると、飲み終えたコーヒーのカップを片付けようと席を立つ







頭がガンガンと痛い

目の前の世界が真っ白に見えた











「今日はもう帰っていいぞ。家まで送って……A?」






あれ……



零さんの声が……遠い











「……どうした?」









あれ……


立てない

歩けない













「A?……Aっ!?」














地面が……近い







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作者名:cherry* | 作成日時:2022年7月12日 21時

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