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side:安室透
その可愛い反応を見るとついからかってしまう
ヒロにはやりすぎだといつも叱られるけど、こればかりは止められない
調子乗りすぎたかなと思い彼女の方を向いたら、ちょっと視線を逸らして恥ずかしそうにした彼女はボソッと呟いた
『あ……えっと、、私は透くんのこと嫌いじゃないですけどね』
「は、、、、」
「「「きゃあああーーー!」」」
聞き間違いか?
普段俺の挑発に乗らない彼女が、照れ隠しのように嫌いじゃないと言った
いや、これはもう照れ隠しにしか聞こえなかった
「待っ……ちょ、え?A?」
予想外すぎる
ぶわっと暑さが込み上げて顔が染る
あー、今、誰にも見せられない顔してるかも
「安室さんはAさんが大好きなんですね」
『えぇ、、梓さんまでからかいます?』
「からかってなんか!」
『からかってますってばー、お会計お願いします』
「あっ、梓さん!僕やります」
逃げるように帰ろうとするAとコンタクトを撮るために会計へ走る
お札と一緒に本来の目的であるUSBを受け取り、少し気まずいまま彼女を見送った
「安室さんも顔を赤くするんですねぇー」
「うるさいですよ梓さん」
「だってだって…あんな姿の安室さん初めて見ましたよ?……よっぽど好きなんですね!」
「……えぇ」
そんなに顔に出てたのか
気をつけなければ……とも思うけど、どうにも彼女のことになると弱い
「惚れた弱み、ですね」
普段忙しくて心に余裕のない日々を生活して、こうやってポアロで人の温もりに触れて初めて分かる何かがある
俺が守るべきものは日本だ
それはポアロに関わる全ての人たちの未来でもある
そんな重責を負い弱さを見せる機会を奪われた自分を
国のために汚れ仕事まで請け負う自分を
Aは理解し、それでいて尊敬してくれている
、
優秀な部下だ
若くして俺と同じ立場に立っている
だからこそ1番大切で1番守りたい
それだけは、俺がバーボンであろうとも安室透であろうとも……もちろん降谷零であろうとも変わらない事実だった
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作者名:cherry* | 作成日時:2022年7月12日 21時