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自分の足音だけが聴こえていた
、
いつの間にか1番下の階まで降りてきていた
時間は怖くて確認できていない
でも………さすがにもう3分はたった気がする
なのに…
なのに爆発しない
解除は…成功したのか?
「Aっ、良かった無事か?」
私を見つけたヒロ先輩が声をかけた
ちゃんとゼロの命令通り、メンバーはみんな下で待機してくれていた
『れ……零さんが』
「ああ、分かってる。周辺避難は済ませたし、警視庁から人も派遣して周りは厳戒態勢を敷いてる。さっきプランAに人を走らせたからもうすぐ爆処が……」
ドォン
でもその瞬間、爆発音が耳をつんざいた
『ぁ……』
「っ危ない離れろ!」
ビルの上層を見たまま動けない私を抱え、ヒロ先輩は待機中のみんなにも指示を飛ばす
あまりにも私たちはビルに近かった為、そのまま屋内の方が安全だろうとビル1階部分に入る
外では窓ガラスと瓦礫が降っている
整列していたメンバーたちは上手く逃げられただろうか
『零さん……?』
「ゼロっ…」
『せんぱ…ぃ』
手が震える
こんなにも怖いことなんて…きっとない
ヒロ先輩も心配そうに天井を見上げる
視界が…涙で歪む
崩れるようにその場に座り込んだ
そんな私の頭に、ぽんと何かが乗っかる
暖かくて、柔らかい…何かが
「ああ、もうほら…泣くな」
「ゼロ!」
「お前もだヒロ…みんなは無事か?」
「みんなは外、ちゃんと無事だ」
立てこもった犯人の男を抱えて零さんは私を撫でた
「お前が来なきゃ死んでたよ。…ありがとう」
『っ馬鹿!!…零さん…もう…ばーか!!!』
「ああ、悪かった」
今でもドッ、ドッっと心臓が鳴っている
多分この日の零さんの事は一生許さない
ぜっっっっったい許さない
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作者名:cherry* | 作成日時:2022年7月12日 21時