ビルにて ページ33
ビル前の小さなスペースに整列しているのは、私がプランCで応援に寄越したはずの予備戦力のメンバー
さらに奥にはプランBで動いていたはずの公安のメンバー
…とヒロ先輩
『え?…………は?…………え?』
「おっ!来たかー!今ちょっと…」
『今ちょっと…じゃないですよ!?何してるんですか!?』
「制圧が終わって犯人グループは確保。電波が届かなくなってたみたいだけど特に問題なくプランBは成功」
『っなら……連絡くらい入れてくださいよ!建物から少し離れれば連絡は入るのに、、!』
「それは悪かったって」
『……零さんは?』
「あぁ、それが本題なんだけど、、、」
ペラペラと現状報告をする ヒロ先輩に怒鳴り散らかす私
潜入時に半田の兄弟として接している分、普段からの距離も近い
一応ゼロに所属する上司である私の怒鳴り声、それに対してニコニコ笑いながら頭を軽くポンポンと叩く後輩のヒロ先輩
なかなかにカオスな状況に後ろで待機してるヒロ先輩のさらに後輩の公安部達がポカーンとした顔をしていた
「しばらく姿を見せていなかった主力メンバーのリーダー格の男が人質をとって……、その人質と代わるようにゼロは自分から奥に、、」
『……え?』
「鍵のかかった部屋に入ったんだけど、どうやら中に爆弾があるらしいんだ。鍵もあかなくてな。ゼロのことだから犯人はすぐに取り押さえたんだけど、、、」
……なるほど
爆発物の購入履歴からして、手に入れた爆発物は全て倉庫に集中しているものだと思っていた
だが、恐らくリーダー格の男が姿を見せなくなった時に予備戦力ではなく中に仕掛けられてるというこの爆弾を調達していたのだろう
見事に私たちは裏をかかれたってわけだ
中にいるのが取り押さえ済みの犯人と零さんだけなら、全メンバー外で不自然に待機をしているのはビルの爆破の可能性があるからか
零さんは間に合わないことも想定してみんなを逃がしたのだ
『零さんは……何階にいる?』
「最上階だけど……っ!?……ちょ、おいA」
『ヒロ先輩達はそのまま待機!これは命令です!』
全てを理解したその瞬間
私は地面を蹴ってビルの中を目指していた
それはもう、ほとんど無意識に近い状態だったと思う
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作者名:cherry* | 作成日時:2022年7月12日 21時