いえ、パンダです2【降谷零】 (ページ28)

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case.12-警察庁にてページ28

1週間後に行われる世界規模のスポーツ大会

その大会の会場になる東都ドームへ対するテロ予告が警察庁の方へ届いたのは昨日の午後の事だった

メディアに情報は一切伏せて公安が事案を受け取り、上層部の決断の元、私と零さん主体でテロ予告の真意を突き止める体制が整う

またいつものように零さんは部下を招集して、近頃動いている小規模犯罪グループや爆弾や銃機の購入履歴などを漁った

総動員した結果、該当する犯人を1グループまで絞ることが出来たのが本日17時

私たちの技術や情報網を持っても、1日という短い期間で該当を絞れたのは奇跡に近い

予告が警察庁に直接来た事とテロ予告された大会の開催がもう間近だと言うことから、大まかな発信元と爆弾や銃などの入手時期が測定出来たのが大きな要因の一つである

1週間もすれば大会は始まってしまう

既に日本には選手や関係者も集まっている状態であって、テロに対して【当日警備と厳重警戒】なんて甘っちょろい対策じゃ済まされない

私たちに課せられたのはテロの未然防止と当日の安全の確約

その2つだった

、

、

「珍しいな、お前が前線に出向かないなんて」

『意外でしたか？』

表示されたモニターを見ながら零さんがそう零した
映るのは明日の朝イチで決行されるテロ組織制圧の計画だ

この計画は一任された私が考えた

警視庁公安部でこの計画のキーパーソンとなる数名を警察庁へ招き、大画面に詳しい内容を写しながら説明する

『まず第1優先のプランA、武器庫と見られる倉庫への突入を優先します。爆発物処理班は後方待機、少人数での偵察を経てから突入開始。続いて同時進行でプランB、こちらはテロ組織の本拠地と見られる雑多ビルの制圧です。包囲網を作った上で一気に人材を投与します』

プランAは風見さん指揮をお願いしている
Bの方は零さん主導で行う予定だ

次にモニターに映るのは10名程度の顔写真

『割愛しますが詳細は後に資料にして手渡します。特に上3人は武道の経験があるそうなので交戦時は気をつけてください。発砲許可は出ていますが被害は最小限に』

クリック音と共に映るのはリストアップされたメンバーのうちの1人、左上にいた人物の顔写真

『ただし気がかりなのは、この首謀者と見られる男性が基地付近の監視カメラに映らなくなったことです』