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「拳銃変えたんですか?」

『んー、いや。もう一個持っておこうと思っただけです』

「いつものは…」

『ちゃんと今もここに携帯してます』







そう言って彼女はジャケットを広げる

細身だからかジャケットを着ていると本当に外から分からないけど、黒いホルスターとそこから除く無骨な銃が目に入る






ベレッタ 92FS VERTEC

捜査一課特殊事件捜査係「SIT」が採用しているようなその銃は、華奢な彼女にミスマッチだった

彼女がゼロの仲間入りをした時、降谷さんがお守りとして渋々プレゼントしていた銃でもある

今では彼女の愛銃であり、立派な相棒だ





…でもそんな思い入れのある使い慣れた銃ではなく、もう一丁の銃を持つとは…







「何故もう一丁?」

『色んなやつ使えた方がかっこいいかなーって思っただけですよ!…ちなみに、私ライフルも使えるんですよー?』

「ライフル!?」

『ヒロ先輩と同じやつ、かっこよくないですか?』







かっこいいけども、、、

まだ25だろ、、、、




確かに…俺より遥かに危ない潜入捜査と言う任務に着いている彼女に取って、武器を扱えることはアドバンテージかもしれない

こんな若い女性がライフル…いくら平和な日本のためとはいえ、誰ががこうやって命をはらねばならないのは残酷である








パァン



SAKURAと似通ってはいるが、また個性的な乾いた音が響く




パァンパァンパァン



続けて3発、連射だ








弾は全て真ん中の円の中に被弾していた






『うわ…やっぱクセ強いなこの拳銃』

「…どこがですか、初めてなんですよね?」

『初めてです。昨日手元に来たばかりですし』





パァン

次に撃った球もまた真ん中に当たる




何がクセ強いな、だよ

常識的に言えばこんな上手くは当たらないんですよ






『…まぁ、やってれば慣れるか』

「…」

『お邪魔しました、お先に失礼します』

「いえ、お疲れ様でした」








去っていく背中を見ていた

全く、その小さな背中でどれだけの国民の命を預かっているのだろうか







自身の拳銃に弾を込め、的を狙う

警察官が初めて拳銃に触れるのは警察学校

まずは的に当てることが目標であり、それすら普通は難しい






自分とて公安警察

警察学校時代から優秀な成績を収めてきたのだ

負けていられない






パァン

鳴り響いた音

弾は見事に的に当たったが、やはり真ん中には遠いのだった

case.12-警察庁にて→←射撃場にて



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作者名:cherry* | 作成日時:2022年7月12日 21時

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