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起きている人達全員に行き渡った紙コップ

中にはコーヒー







「これで全員に行き渡りましたかね、」

「すみません、俺コーヒー苦手で…」

「そうでしたか…すみません」






そう言って紙コップを返しに来たのは容疑者の男性の中の1人だ

申し訳なさそうに返したコップを透くんが受け取る








「Aさん…これが何」

「そうか…!」









ヒントらしくないヒントに顔を歪めたコナンくんの隣で、1人だけ顔を輝かせたのは真純ちゃんだった







『私たちは犯人の近くにいたにも関わらず、被害者の叫び声等は聞いていない…ってことはつまり』

「つまり…被害者は殺されてから運ばれたか、もしくは声の出せない状態…睡眠状態かなんかの時に運ばれたかってことだな」

『その通り』





私の誘導にパッと答えたのは零さん

私の欲しかった答えだ

それに続いて次は真純ちゃんが声を出す







「ボクたちは被害者発見地点から斜面を登ったところにある山小屋に逃げ込んだ…Aさん!ボクらが殺人を見たのはどこだ」

『このキャンプ場から東方面へのびる遊歩道を10分くらい歩いた先の森の中』

「確か写真を撮ってたよな」






山小屋の中で撮った写真を見せる

薄暗い小屋の写真だが、最近のスマホは綺麗に写してくれてた

そっと置かれた空のコーヒーカップと、倒れて中身が床にぶちまけられたコーヒーカップ






「コーヒーカップ?」

『正解だよコナンくん。しかも2人分のね』

「殺されてる…もしくは眠らされているのなら被害者発見現場の上方に位置しているその小屋は…」

『そう、犯人が被害者を連れ込んだ可能性が高い。被害者を抱えて移動すると考えた場合、この位置が1番便利だしね』







遺体、もしくは眠らされている被害者を犯人があの場所まで抱えて運ぶのなら、斜面を下る移動が1番手っ取り早くて簡単だろう

だんだん謎が解けてきたコナンくんは話を続ける





「落ちている方が被害者のだとすると、飲み干された方は犯人のだね。って事は、コーヒーを飲めないと言ったそのお兄さんは犯人から除外してもいいんじゃない?」

「いや…コナンくん。もうひとつあるんだ」

「え?」

「この飲み終わったコーヒーカップ、底に飲みカスが溜まってるのが見えるだろ?」

『…ご名答』






釘を刺したのは真純ちゃんだ





「溜まってるのは持ち手方面から見て右側、つまり犯人は左手でコーヒーカップを持ってコーヒーを飲み干した」

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作者名:cherry* | 作成日時:2022年7月12日 21時

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